フィガロが選ぶ、今月の5冊 日々のリズムに合った、自炊のススメ。

Culture 2018.05.31

自炊とは、飾らない自分を知るための方法でもある。

『たすかる料理』

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按田優子著 鈴木陽介写真 リトルモア刊 ¥1,728

ひとり暮らしの自炊は、手間もかかるし、食材も余りがち。東京の代々木上原にある「按田餃子」の店主・按田優子さんの料理は、そんな先入観から自由にしてくれる。たとえば豚のかたまり肉を水から茹で、食べ繋いでいく。そのままでもいいし、麺や丼にしてもいい。茹で汁はスープにする。普段の食事はおしゃれじゃなくていい。無愛想でも血肉になって、生活の流れを邪魔しないのがいい。自分に合ったやり方で、いかに日常をサバイブするか。自炊とは、飾らない自分を知るための方法でもあるのだ。経験に裏打ちされた実直な言葉が沁みるエッセイ。

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*「フィガロジャポン」2018年5月号より抜粋

réalisation : HARUMI TAKI

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