仕事のクリエイティビティをアップさせるには?

Culture 2018.06.19

PCの画面にくぎ付けになり、毎日同じことの繰り返しでは、エネルギーも情熱も失うばかり。クリエイティビティを取り戻すことは、日々のタスクに意義を与え、仕事の喜びを取り戻すこと。そのためにどうすればいいのだろうか?

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ルーティンから脱却することが、新しいアイデアを生む。photo:iStock

「クリエイティビティとは、仕事における幸せといえるでしょう」と語るのは、『2h chrono pour retrouver ma créativité(2時間でクリエイティビティを取り戻す)』」の著者であり、クリエイティビティとイノベーションをテーマにコンサルティングを行う「Soon Soon Soon」(www.soonsoonsoon.com)の創業者アレクシ・ボタヤ。クリエイティビティを培うことは、上司や会社に対して自分をアピールするため(だけ)ではなく、自分自身のため。働くことに意義を与え、毎日を充実したものにするためだと彼は言う。ではクリエイティブであるためにはどうしたらいいのだろう? 日常のルーティンを打破する方法を紹介する。

アイデアを考える時間を確保する。

「企業の中では長い間、マルチタスクが奨励されてきました」とボタヤは言う。「そしていまではそれが仇になっています。皆、ひとつの物事に深く取り組むことなく、タスクを次々とこなしている。一日の終りに、今日もずっとバタバタしていたと思うけれど、結局なにも成し遂げられていないことがあります」

この悪循環を逃れる解決策は、ディスコネクト(=接続を切る)。「3分ごとにメールチェックするのはやめることです。とりわけ、思考を滞らせるメールチェックから一日を始めるのはやめるべき」とボタヤは指摘する。またディスコネクトとは、オープンスペースで同僚の依頼にいちいち対応するのをやめることも意味する。「生産的な思考をする時間を日常的に確保していないと、なにかをクリエイトしなくてはならないという時に、どうしたらいいかわからなくなってしまうのです」。目標達成のためには集中することが必要だが、それを邪魔する機械的な作業にストップをかけることも、クリエイティブであるといえる。

生みの苦しみを乗り越えよう。

いよいよ、自分が成し遂げようとするプロジェクトに集中する時。そのためには、本当の意味で仕事に取りかかる以外、道はない。つまりアイデアを生み出すことだ。「アイデアを思いつくための時間は、仕事の中で最大でも5%に過ぎません」とボタヤは言う。「最も長いのはアイデアに肉づけし、パワーポイントにまとめるといった時間です。認知科学のあらゆる研究が示すように、いちばん困難なのは始めること。最初の15分が最もつらいのです。でもそれが過ぎれば呼吸も落ち着きます。最初のつらさを耐えてこそ、飛躍が得られるのです」。誰もがアイデアを形にし、発展させることができる。大事なのは、始めることなのだ。

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自分の脚で歩く、思考を歩かせる。

ルーティンを打破することは、クリエイティビティを取り戻すための基本だ。歩くことは、その完璧なメタファーだといえる。立ち上がり、自分の陣地から出るのだ。オフィスを一周する、コーヒーマシンまで行ってみる――繰り返しで硬くなってしまいがちな思考を解きほぐす効果がある。

「歩くことは、いまいる部屋の鍵を外し、ドアを開け放つこと。そして、どこに行くか考えることを余儀なくされます。座っている時、人はある姿勢の中に閉じこもっている状態。立ち上がることは自分の小さな陣地から出ることです。この「歩く」という概念を旅に広げて考えることもできます。そして現代では、インターネットのおかげで世界の果てまでも行くことができる。いつも同じ情報ソースを利用する代わりに、ときにはほかの場所にいってみるといい。国外のスタートアップで何が行われているかチェックするのもいいでしょう。そんな時はオープンな気持ちでいることです。歩くことは、道がいくつもあることを意識し、自分が動き始めていることを意識すること。自分の世界に閉じこもっているのは、義務のせいだけでなく、安心だから。その退屈な状況から離れることです。実際に歩くこと、あるいはバーチャルの世界で違う空気を吸うことが、クリエイティビティを育てるのです」

そして、瞑想する。

毎朝、自分がなぜ起き上がるのかを知り、退屈から逃れるために毎日自分を刷新すること――それがクリエイティビティをもたらす。けれど、私たちの中にすっかり根を張っている機械的な作業をこなすメカニズムを見出し、それを改善するのは簡単ではない。

このメカニズムを封じ込めるにはマインドフルネス瞑想が最適だ。「オフィスヨガなど、マインドフルネス瞑想を取り入れる企業が増えています。自分をよりよく理解し、私たちが生き生きとすることを妨げているものを少しずつ取り除くために、とても有効なテクニックなのです」

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texte:Vanessa Zocchetti (madame.lefigaro.fr)

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