モテる男ホン・サンスの愛についての考察。その6

Culture 2018.07.11

“男と女は99パーセント同じ。ただし、表現されるものが違うだけ”

世界3大映画祭に毎度のごとく招かれ、呼吸するかのように精力的に映画を撮り続ける韓国の映画監督ホン・サンス。どうにも、モテる男だ。男と女の関係を描き、人生を眺め、映し撮る彼の言葉から読みとる、愛とは……何?

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ホン・サンス映画の台詞はすべて、登場人物が男であろうと女であろうと、すべて彼の心の中から発せられる。「男と女は99パーセントは同じ」が彼の信条だから。「性差によって生じる違いは、大きな違いではない。人は、男女間の目に見える小さな違いに過剰に反応するよう学習させられている気がする。その刷り込みは異性を惹き付ける力になる一方で、性差による差別を生む理由ともなる。男女の小さな違いを楽しみながらも、その楽しみが実はささやかな違いに基づくものだという事実を忘れないでほしい」

『それから』

出版社の社長のもとへ新入社員(キム・ミニ)がやって来る。昼食後、会社に乗り込んできた社長の妻がふたりの関係を疑い、彼女をビンタ! お詫びとして、この社長が彼女を夕飯に誘うと、今度は昔の愛人が舞い戻って……!? タイトルは夏目漱石小説から。

●監督・脚本/ホン・サンス
●出演/クォン・ヘヒョ、キム・ミニ、キム・セビョク、チョ・ユニ
●2017年、韓国映画
●91分
●配給/クレストインターナショナル
●ヒューマントラストシネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国にて公開中
©2017 JEONWONSA FILM CO.ALL RIGHTS RESERVED.



Sang-soo HONG

1961年、ソウル生まれ。大学で映画を学んだ後、アメリカ留学で美術を専攻しながら実験映画を制作。96年、『豚が井戸に落ちた日』で長編デビュー。ほかに『女は男の未来だ』(2004年)、『アバンチュールはパリで』(08年)、『自由が丘で』(14年)など。カンヌをはじめ、世界3大映画祭の常連として高い人気を誇る。

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interview et texte : REIKO KUBO

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