フィガロが選ぶ、今月の5冊 全国の職人たちの手仕事をおさめた、フォトエッセイ。

Culture 2018.08.15

職人たちが作る、日常の美が生まれた土地へ。

『手仕事のはなし』

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阿部了写真 阿部直美著 河出書房新社刊 ¥1,620

夫が写真を撮り、妻が文を書く。機内誌で連載された『おべんとうの時間』で、阿部夫妻の著書を知った。日本全国の職人たちを訪ねた本書のきっかけも、やはり「おべんとう」。取材で会った人が使っていた井川メンパの弁当箱にひと目惚れしたことだった。鍛冶屋が昔ながらの手打ちで作るハサミ、美濃和紙の水うちわなど、いずれも後継者がいなければ失われてしまう絶滅危惧種であり、阿部夫妻は普段使いの声高でない美しさを見つける目利きだ。愛着の湧く道具には、理由がある。職人がとつとつと語る言葉から、その土地の生活の匂いが浮かび上がる。

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*「フィガロジャポン」2018年8月号より抜粋

réalisation : HARUMI TAKI

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