エル・ファニングが、怪物の物語を描いた作家を演じる。

Culture 2018.12.30

愛すべき人造モンスターを、早熟の文学少女が生んだ由縁。

『メアリーの総て』

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映画作家に霊感を与え続けるゴシック小説『フランケンシュタイン』を著したメアリー・シェリーの半生記。19世紀のロンドンで本に囲まれて育った16歳のメアリーは、異端気取りの詩人に恋をし、熱に浮かれて駆け落ちする。だが、彼は妻子持ちだった。出生時の母の死とこの過酷な情熱恋愛が、命を吹き込まれた死者=哀しい人造怪物の物語をメアリーに着想させるのを、映画は流麗に描き出す。出版当時、18歳。若い女に怪奇ものは不穏当、と実名を秘す屈辱もなめるメアリーを、エル・ファニングが凛として演じる。

『メアリーの総て』
監督・共同脚本/ハイファ・アル=マンスール
2017年、イギリス・ルクセンブルク・アメリカ映画 121分
配給/ギャガ
シネスイッチ銀座ほか全国にて公開中
https://gaga.ne.jp/maryshelley

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*「フィガロジャポン」2019年1月号より抜粋

réalisation : TAKASHI GOTO

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