楽園のような大家族の母を、ハル・ベリーが熱演。

Culture 2019.01.06

寛大な養母が支える大家族が、史実の大暴動と荒々しく交錯。

『マイ・サンシャイン』

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ロサンゼルスの黒人街サウスセントラルで、ミリーは引き取り手のない子を次々養子にする。やんちゃな子らを放任しつつ肝っ玉のでかい愛情で束ねる養母の手並みを、ハル・ベリーが好演。トラブルが絶えないのに、楽園のような大家族だ。トルコ系の才媛監督はそこに1992年のLA暴動前夜、暴発寸前の街のきな臭い空気感を交錯させる。自ら体験したパリ郊外暴動に思いを重ねて。家族は寸断、事態は悲劇の方向に加速するのに、ほのかな灯りのような憩いの場が街角に生まれる。

『マイ・サンシャイン』
監督・脚本/デニズ・ガムゼ・エルギュヴェン
2017年、フランス・ベルギー映画 87分
配給/ビターズ・エンド、パルコ
ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国にて公開中
http://bitters.co.jp/MySunshine

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*「フィガロジャポン」2019年1月号より抜粋

réalisation : TAKASHI GOTO

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