ソフトで美しい歌声に魅了されるブラジリアンポップ。
Culture 2019.01.16
極上のシルキーボイスでサウダージを体感。
『ブラジレイロ』/シルヴァ
Think! Records ¥2,376
音楽大国ブラジルは、いつの時代にも素晴らしいシンガーやミュージシャンを輩出しているが、活性化し続ける音楽シーンの中でここ数年、非常に話題になっているアーティストの筆頭がシルヴァだ。 2012年にデビューした彼は、クールでソウルフルなブラジリアンポップを作り続けてきた。大御所マリーザ・モンチをカバーしたアルバムを発表したことでさらに高く評価され、日本でも耳の早いリスナーによってじわじわとその人気が広がっている。
満を持して発表された新作は、タイトルどおりブラジル音楽への原点回帰ともいえる内容。マルチプレイヤーとしての才気あふれるコンテンポラリーR&Bをベースにしながら、サンバやボサノバのエッセンスを加えたメロウなサウンドを構築していく。そして、チェット・ベイカーやカエターノ・ヴェローゾを思わせるソフトな歌声が限りなく美しく響く。
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*「フィガロジャポン」2019年1月号より抜粋
réalisation : HITOSHI KURIMOTO