事件解決の鍵は電話の声。想像力を刺激するサスペンス。
Culture 2019.04.04
最小限の音声情報が死活線! デンマーク発の秀作スリラー。
『THE GUILTY/ギルティ』
交通事故などの遠隔指令を業務とする緊急通報指令室に、舞台を限定する。主人公は警察官崩れのオペレーター。誘拐を告げて助けを求める女性の通報に、彼は危急の気配を感じる。周囲の音やシステム検索。限られた情報から誘拐犯が別れた夫であること、自宅に置いていかれた幼い娘の存在までを割り出す。果たして妻や娘の危機は回避されるのか? ミニマルな声と音による攻防戦をヘッドセット着用の主人公のアップ長回しで見せ切る演出は、自分の弱さと彼が向き合う急展開とも連結する。行き詰まる緊迫感だ。
『THE GUILTY/ギルティ』
監督・共同脚本/グスタフ・モーラー
2018年、デンマーク映画 88分
配給/ファントム・フィルム
新宿武蔵野館ほか全国にて公開中
https://guilty-movie.jp
監督・共同脚本/グスタフ・モーラー
2018年、デンマーク映画 88分
配給/ファントム・フィルム
新宿武蔵野館ほか全国にて公開中
https://guilty-movie.jp
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*「フィガロジャポン」2019年4月号より抜粋
réalisation : TAKASHI GOTO