黒人作家の傑作小説を『ムーンライト』の俊英が映画化。

Culture 2019.04.05

米20世紀の旗手の小説世界が、しっとりと力強く銀幕に蘇る。

『ビール・ストリートの恋人たち』

1903xx-cinema-04.jpg

黒人作家の傑物ジェームズ・ボールドウィンの小説を『ムーンライト』の俊英が映画化。1970年代のハーレム、質の悪い白人警官の不当逮捕によって、幼なじみの恋人同士が引き裂かれる。無垢な青春ラブストーリーと、19歳の妊婦となったティッシュらが彼の冤罪を晴らすべく尽力する逆境の物語が並行して描かれる。後方から彼女を助ける気丈な母をレジーナ・キングが好演。同じ黒人コミュニティでも両者の家に階層差があり、それが家族間のきしみを生む挿話が、黒人対白人の図式を超えた膨らみを物語に与える。

『ビール・ストリートの恋人たち』
監督・脚本/バリー・ジェンキンス
2018年、アメリカ映画 119分
配給/ロングライド
TOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開中
https://longride.jp/bealestreet

【関連記事】
アカデミー賞受賞! 常識を覆す、ふたりの男の旅。
保守的な町に本でささやかな変革を起こす、女性の物語。

*「フィガロジャポン」2019年4月号より抜粋

réalisation : TAKASHI GOTO

Share:
  • Twitter
  • Facebook
  • Pinterest

フィガロワインクラブ
Business with Attitude
パリとバレエとオペラ座と
世界は愉快

BRAND SPECIAL

Ranking

Find More Stories