フィガロが選ぶ、今月の5冊 歌人・穂村弘が、憧れの表現者たちと対談。
Culture 2019.04.15
憧れの人は、いまなお自分を鼓舞してくれる道しるべ。
『あの人に会いに 穂村弘対談集』
穂村弘著 毎日新聞出版刊 ¥1,728
青春の暗黒時代を救ってくれた憧れの人に会いに行く。あの頃の自分にとっての神様に創作の秘密について話を聞いた対談集。それは取りも直さず、聞き手である歌人・穂村弘がどんな成分で出来ているかを開陳することでもある。16歳の時、萩尾作品と出合った高野文子は「この人は私に手紙をくれたんだ」と思い、漫画家を志す。甲本ヒロトが初めて歌った時の話も最高だ。谷川俊太郎、宇野亜喜良、横尾忠則、萩尾望都、荒木経惟、佐藤雅彦、吉田戦車……いまも最前線で自分の道を行く人は、既存の常識に縛られないけもの道の歩き方を教えてくれる。
【関連記事】
人気ウェブ連載がついに書籍化! 千早茜の食エッセイ。
現代韓国文学を代表する女性作家、ハン・ガンの傑作。
*「フィガロジャポン」2019年4月号より抜粋
réalisation : HARUMI TAKI