映画祭中のカンヌで消費される、高級食材の量とは?

Culture 2019.05.22

カンヌ国際映画祭が始まった1946年以来、クロワゼット通りの一等地で数え切れないほどのスターを迎えてきたカンヌの「ホテル・バリエール・ル・マジェスティック」。映画祭の期間中(今年は5月14日~25日)、一流の顧客たちの厳しい要望のために、5ツ星ホテルは大金を投じる。料理の仕入れも例外ではない。

190521_le-majestic-hotel-des-stars-a-cannes.jpg

映画祭の期間中、多くのスターが滞在するル・マジェスティック。photo: coutesy of Hotel Barriere Le Majestic 

5月14日、今年もまたカンヌ国際映画祭が幕を開けた。映画の祭典を彩るのは作品やスターばかりではない。リュクスなホテルも華やかな雰囲気を大いに盛り上げる。ビジネスニュースサイト「Business Insider」がクロワゼット通りに立ち並ぶリュクス・ホテルのひとつ、ル・マジェスティックの厨房に潜入した。その報告によれば、映画祭の期間中にシェフたちの仕事は倍増するようだ。

VIP顧客たちの舌を満足させるため、映画祭の期間中、ホテルは通常350人のスタッフを2倍の700人に増やす。期間中に実に50トン近くの食べ物、つまり2万5000食近くが用意されることを考えると、当然の増員だ。

1万本近いシャンパーニュ。

メニューは? フォアグラ350キロ、キャビア50キロ、野菜と果物は合わせて40トン、魚3トン、オマール海老2トン、ザリガニ800キロが期間中に消費されるという。甘党のためには250キロのショコラと2万個のマカロンが用意されている。また、カンヌといえばソワレ。消費されるワイン1万8500本の半数をシャンパーニュが占める。

ハウスキーピングでは、ル・マジェスティックがこの期間に交換するタオルは1万4000枚、シーツは1万5000枚に上り、6000点の服がクリーニングやアイロンに出される。五ツ星ホテルの部屋を飾るのは8000本のバラ。

ル・マジェスティックはこの期間、生鮮食品の仕入れだけで31万ユーロ(4000万円弱)を支出する。とはいえ、これは非常に戦略的な投資なのだ。フランスのホテル業協会によれば、カンヌの観光業界は映画祭の2週間で年間売り上げの15パーセントにあたる額を稼ぎ出すのだから。

texte:Ségolène Forgar (madame.lefigaro.fr)

Share:
  • Twitter
  • Facebook
  • Pinterest

フィガロワインクラブ
Business with Attitude
キーワード別、2024年春夏ストリートスナップまとめ。
連載-パリジェンヌファイル

BRAND SPECIAL

Ranking

Find More Stories