中性的な歌声で魅了する若き天才、ソークの最新作。

Culture 2019.06.02

早熟の天才が表現、研ぎ澄まされたディストピア。

『グリム・タウン』/ソーク

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ビート ¥2,160

中性的な美しい歌声で、ヒリヒリするようなメロディを歌い上げる。彼女は若くして恐るべき才能を持った、特筆すべき新進アーティストのひとりだ。14歳からステージに立ってきたというソークことブライディ・モンズ・ワトソン。北アイルランド出身で、チャーチズなどから絶賛されたことで話題になった。2014年にラフ・トレード・レコードと契約し、アルバム『ビフォー・ウィ・フォガット・ハウ・トゥ・ドリーム』を発表し世界的にブレイク。4年ぶりとなる新作は、さらにそのクオリティを高めた傑作といってもいいだろう。

タイトルは彼女の頭の中にあるディストピアのこと。社会問題を主題にした重苦しい歌詞が多いが、透明感に満ちた声と旋律によって、救われた気分になる。合間にはポップな楽曲もあり、アーティストとしての度量の大きさを感じられる。

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*「フィガロジャポン」2019年6月号より抜粋

réalisation : HITOSHI KURIMOTO

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