大自然に敬意を払う、イヌイットの暮らしとは。

Culture 2019.08.07

犬や熊とともに脈を打つ、失われゆく北国の暮らし。

『北の果ての小さな村で』

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舞台は氷の国の美しい村。人口80人のグリーンランド・イヌイットの生活誌が、フォークロア調の穏やかな音楽に乗って綴られる。案内人は、デンマークから派遣された新米教師。街に出稼ぎ中なのか、家に親のいない問題児アサーは、小学校より猟師の爺さんとの実地学習を好む。都市化や温暖化によって土地固有の文化習俗は消えゆく危機。さぼり魔の少年に苛立ちつつ、彼がその得難い継承者だと、青年教師も実地に学んでゆく。雪原の犬ぞりの操り方、森の北極熊との遭遇対策。なじめなかった土地に溶け込むように、ゆっくりと。

『北の果ての小さな村で』
監督・共同脚本/サミュエル・コラルデ
2017年、フランス映画 94分
配給/ザジフィルムズ
シネスイッチ銀座ほか全国にて公開中
www.zaziefilms.com/kitanomura

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*「フィガロジャポン」2019年9月号より抜粋

réalisation : TAKASHI GOTO

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