韓国の作家が贈る、行き場のない悲しみに寄り添う短編。

韓国の注目作家が描く、珠玉の短編集。

『外は夏』

キム・エラン著　古川綾子訳　亜紀書房刊　￥1,836

日韓関係は冷え込んでいるといわれるけれど、文学の世界は例外だ。日本でも13万部のベストセラーになったチョ・ナムジュの『82年生まれ、キム・ジヨン』はじめ、注目作が次々と刊行されている。1980年生まれの作家キム・エランも本国の文学賞を総ナメにしてきた。子どもを亡くした若い夫婦。愛犬を安楽死させる日を一日延ばしにする少年。大切なものを失った痛みは安易な救いでは回収できない。行き場のない悲しみに寄り添う筆致で描かれた7つの短編。

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＊「フィガロジャポン」2019年11月号より抜粋