Things to Do! 2020 パワフルな女性が躍動する、今年注目の映画。

2020年は女性監督の名作が充実、そしてアメコミヒロインが主役を張る話題作も！　強い女たちの活躍に注目しよう。

『レディ・バード』で鮮烈な監督デビューを飾ったグレタ・ガーウィグは、第2作となる『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』（2019年）で、ハリウッドで最も注目される才能であることを証明した。彼女に続くべく、そして#MeTooムーブメントの追い風もあり、多くの女性監督が新作を世に送り出している。

グレタのように女優出身の新人監督として最注目はオリヴィア・ワイルド。クリント・イーストウッドの『リチャード・ジュエル』（19年）にも出演するクールビューティだが、監督デビュー作『Booksmart』は女子高校生ふたりを主人公にした青春映画。すでにスマッシュヒットを記録し、次回作も準備中だ。オーストラリア出身の女優シャノン・マーフィもデビュー作『Babyteeth』がいきなりヴェネツィア映画祭のコンペに選出された期待株。『ワンダーウーマン』でアメコミ映画初の女性ヒットメーカーとなったパティ・ジェンキンスは女性キャラが主人公の作品が続く。マーゴット・ロビーの『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』、スカーレット・ヨハンソンの『ブラック・ウィドウ』など、いずれも気鋭の女性監督がメガホンを握っている点も注目。『ハーレイ・クイン～』は中国系アメリカ人のキャシー・ヤンが監督に抜擢されたが、中国生まれ、米国在住のルル・ワンが手がけた『フェアウェル』（19年）もゴールデングローブ賞2部門にノミネートされ、脚光を浴びた。

女性監督の台頭もあり、女子映画も豊作。『ムーラン』はディズニー初のアジア系ヒロイン映画として注目だ。ストリッパーたちが起こした詐欺事件を題材にコンスタンス・ウー、ジェニファー・ロペス共演で描いた『ハスラーズ』、米国の大手TV局内でのセクハラ事件を、シャーリーズ・セロン、ニコール・キッドマン、マーゴット・ロビー共演で描いた『スキャンダル』など大物女優が参戦し、エンパワーメント映画ジャンルもさらに勢いを増しそうだ。

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『Booksmart』（原題）

ガリ勉の女子高生モリーは遊び人の学友が名門大学へ進学することがわかって愕然。親友のエイミーとともに高校卒業前にパーティへ繰り出す。主演ビーニー・フェルドスタインはジョナ・ヒルの妹。

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『Babyteeth』（原題）

重い病に侵された少女と恋人、家族をめぐる青春ドラマ。主演のエリザ・スカンレンは『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』で三女ベスを演じた注目株。トビー・ウォレスはヴェネツィア国際映画祭で新人俳優賞受賞。

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『ワンダーウーマン 1984』

前作の1918年から1984年に舞台を移した続編。姿を隠していたワンダーウーマンが、東西の冷戦末期に再び活躍する。カル・ガドット演じるヒロインのバージョンアップに期待。

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『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』

DCコミック発“悪カワ”キャラの単独ヒロインでの映画化。サイコな敵と闘うハーレイの奮闘が描かれる。TV界でキャリアを積んだ中国系のキャシー・ヤンが監督。

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『ブラック・ウィドウ』

アベンジャーズの人気キャラ、ブラック・ウィドウがスパイとして育てられた経緯が物語の軸になっている。実力派女優スカーレット・ヨハンソンのアクションも見どころ。

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『ムーラン』

人気アニメーションの実写リブート作。主人公に抜擢されたのは見事な身体能力のリウ・イーフェイ。

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『ハスラーズ』

ウォール街のエリートを相手にしていたストリッパーたちの詐欺事件の顛末を描く。実話ものだが、ジェニファー・ロペス演じるカリスマストリッパーとコンスタンス・ウー演じる新人の友情と絆を描くガールズムービーとしても評価大。

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『スキャンダル』

2016年に米国TV局で起こったセクハラ事件を豪華キャストで映画化。製作も担っているシャーリーズ・セロンは、自身が演じるキャスター、メーガン・ケリーにそっくりの顔で熱演。特殊メイクはカズ・ヒロ。本作で、二度目となるアカデミー賞メイク・ヘアスタイリング賞を受賞。

Things to Do! 2020
世界はしてみたいコトであふれている。

いよいよ2020年。新しい年にやってみたいこと、目を向けてみたいことがたくさんある。トレンドがガラリと変わるファッションとメイク、新しい旅先や
おいしいレストランの発掘、部屋の模様替え、これから出合う本や映画……2020年という年を楽しみながら、好奇心のままに、まだ見ぬ世界への冒険へと繰り出そう。

 

『フィガロジャポン』2020年3月号より抜粋
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