優等生ルースが、アメリカ社会の光と影を浮き彫りに。
Culture 2020.05.30
"理想の子"が照らし出す、アメリカ社会の夢と現実。
『ルース・エドガー』
名門高校の総代としてルースはスピーチを完璧にこなす。オバマ前大統領ばりの黒人優等生。でも彼には、戦火の小国を逃れて養子に拾われ、アメリカでセラピーを重ねて人生を仕切り直した過去がある。大人の喝采する理想の若者像が、新世界で生まれ変わるために獲得した、もがきの末のペルソナ(仮面)だとしたら? ある疑惑から、良識派の教師には彼を危険な怪物とみる者も。養母(ナオミ・ワッツ)とルースの信頼関係にもヒビが入る。鋭いせりふの応酬が彼の虚実に血肉を与え、アメリカンドリームの光と影をも浮き彫りにする。
『ルース・エドガー』
監督・共同脚本/ジュリアス・オナー
2019年、アメリカ映画 109分
配給/キノフィルムズ、東京テアトル
6月5日より、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国にて公開
http://luce-edgar.com
監督・共同脚本/ジュリアス・オナー
2019年、アメリカ映画 109分
配給/キノフィルムズ、東京テアトル
6月5日より、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国にて公開
http://luce-edgar.com
*「フィガロジャポン」2020年6月号より抜粋
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