夢と家族の間で揺れる彼女の選択。『ワイルド・ローズ』

Culture 2020.07.23

身近すぎて見失っていた、故郷や家族を歌声に託して。

『ワイルド・ローズ』

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シングルマザーのローズは、ふたりの子を老母に預け、故郷グラスゴーのなじみの酒場で歌いつつ渡米の機会を狙う。だが、20代半ばを過ぎても旅費は貯まらず、子はおばあちゃんばかりになつき、日銭目当ての店からも喧嘩して追放されかける。名もないカントリーシンガーの破天荒な生活記に漂うユーモアと哀愁。念願のナッシュビルの旅を経た終局は、歌か家族かの二択を捨て、家族の前での新曲披露という凱旋ライブに夢と現実を昇華させる。演じるジェシー・バックリーもシンギング・アクトレスとして飛翔を遂げ、圧巻!

『ワイルド・ローズ』
監督/トム・ハーパー
2018年、イギリス映画 102分
配給/ショウゲート
ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国にて公開中
https://cinerack.jp/wildrose

*「フィガロジャポン」2020年8月号より抜粋

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réalisation : TAKASHI GOTO

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