天才子役とステージパパの痛みと再生。『ハニーボーイ』

Culture 2020.08.07

子役の眼で見つめられた、珠玉のバックステージ編。

『ハニーボーイ』

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12歳の売れっ子俳優、オーティスは困難な現場をプロ意識の高さで乗り越える。だが、ステージパパの酒癖と暴走が彼を追い詰めてゆく。『トランスフォーマー』シリーズの主役を張りつつ、問題行動から療養を余儀なくされたシャイア・ラブーフが、施設の内観療法で子役体験の自伝的脚本を書き上げる。この映画化が決まるや、少年の精神的苦痛の元凶たる父を演じるという荒療治を敢行。天才子役ノア・ジュプが体現するオーティスの、隣の少女との挿話を交えた甘く苦しい成長が、粗暴な父の真心を照らす。月光のようにひっそりと。

『ハニーボーイ』
監督/アルマ・ハレル
2019年、アメリカ映画 95分
配給/ギャガ
8月7日より、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国にて公開
https://gaga.ne.jp/honeyboy

※新型コロナウイルス感染症の影響により、公開時期が変更となる場合があります。最新情報は各作品のHPをご確認ください。

*「フィガロジャポン」2020年9月号より抜粋

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réalisation : TAKASHI GOTO

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