52歳でピアノ初挑戦、勇気をくれるノンフィクション。
Culture 2020.08.09
大人になって師と呼べる人に出会える幸せ。
『ヤクザときどきピアノ』
鈴木智彦著 CCCメディアハウス刊 ¥1,650
天啓は映画を観た時にやってきた。「『ダンシング・クイーン』が弾きたいんです」と52歳でピアノに初挑戦。ヤクザの潜入ルポを得意とするライターとレイコ先生のガチンコ勝負のレッスンが始まる。「練習すれば、弾けない曲などありません」。スポ根漫画さながらの熱いメソッドで教えてくれるのは、音楽で自分を解き放つ喜び。念願の曲を弾くまでいかに戦い、世界が生まれ変わったのか。大人になってから何かを始めたい人に勇気をくれるノンフィクション。
*「フィガロジャポン」2020年8月号より抜粋
réalisation : HARUMI TAKI