イーサン・ホークが無法者を演じる犯罪サスペンス。

Culture 2020.12.12

打ち解けたユーモア感覚で、無法者と人質の息が合う。

『ストックホルム・ケース』

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『ブルーに生まれついて』で躍進した俊英が、再びイーサン・ホークを主演に迎えた犯罪サスペンスの快作。題材は「ストックホルム症候群」の語源となる、スウェーデン史上名高い1973年の銀行強盗事件だ。狙撃手で周りを固めつつ、警察は懐柔策に。膠着状態の中、“イージー・ライダー”ルックの陽気な立て籠もり犯が脱出を図る。人質なのに我が子の今夜の夕飯が何より心配な、妙にぬか味噌臭い女性銀行員が、暴発型なのに情に脆いイーサンの主犯に感情移入。ボブ・ディランの名曲をちりばめたその推移に、人間喜劇の風味が香る。

『ストックホルム・ケース』
監督・脚本/ロバート・バドロー
2018年、カナダ・スウェーデン映画 92分
配給/トランスフォーマー
11月6日より、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国にて公開
www.transformer.co.jp/m/stockholmcase

*「フィガロジャポン」2020年12月号より抜粋

●新型コロナウイルス感染症の影響により、公開時期が変更となる場合があります。最新情報は各作品のHPをご確認ください。

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réalisation : TAKASHI GOTO

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