世界を席巻する、韓国映画の最前線をチェック!

Culture 2021.03.09

米アカデミー賞を受賞した『パラサイト 半地下の家族』『はちどり』『82年生まれ、キム・ジヨン』など、パワフルな傑作が公開された2020年に続き、今年も韓国映画界からは国際的な注目作品が目白押しだ。

大ヒットホラーの続編『新感染 ファイナル・エクスプレス』に続き、公開中の『チャンシルさんには福が多いね』は、ホン・サンス監督のプロデューサーとして活動してきたキム・チョヒの長編監督デビュー作。突然一文なしになったアラフォー女子の主人公の人生の再生を描く、ユーモアあふれるヒューマンドラマだ。

2102xx-koreanmovie-1.jpg

『チャンシルさんには福が多いね』失業したチャンシルは郊外へ下宿。隣の部屋にはレスリー・チャンの亡霊が……!? ●監督・脚本/キム・チョヒ ●出演/カン・マルグム、ユン・ヨジョンほか ●2019年、韓国映画 ●96分 ●配給/リアリーライクフィルムズ、キノ・キネマ ●ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国にて公開中 

新人女性監督といえば、昨年の2月にロッテルダム映画祭で絶賛された新人女性監督ユン・ダンビの『夏時間』が公開される。多感な10代の少女の視点で描き出される世界は、『はちどり』にも通じるところ。

2102xx-koreanmovie-3.jpg

『夏時間』父の事業の失敗を機に祖父の家に引っ越した姉弟の夏物語。弟役は「愛の不時着」の名子役。●監督・脚本/ユン・ダンビ ●出演/チェ・ジョンウン、パク・スンジュンほか  ●2019年、韓国映画 ●105分 ●配給/パンドラ ●2月27日より、渋谷ユーロスペースほか全国にて順次公開 

---fadeinpager---

『野球少女』は去年の大ヒットドラマ「梨泰院クラス」でトランスジェンダーのシェフ、マ・ヒョニ役で注目されたイ・ジュヨンが、プロ野球界を目指す女子高校生ピッチャーを演じる。格差社会やジェンダーギャップなどの障害を乗り越え人生を切り開こうとする人々にエールを送る青春映画だ。脚本・監督を手がけたチェ・ユンテも本作が長編デビュー。力のある新人監督が次々と登場するあたりが、現在の韓国映画界の勢いを象徴している。

2102xx-koreanmovie-2.jpg

 『野球少女』プロ野球選手になりたい女子高生が挫折を経験したコーチとタッグを組んで……。●監督・脚本/チェ・ユンテ ●出演/イ・ジョユン、イ・ジュニョク、ヨム・ヘランほか ●2019年、韓国映画 ●105分 ●配給/ロングライド ●3月5日より、TOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開

三大映画祭常連のベテラン、ホン・サンスの新作『逃げた女』も初夏に日本公開が決まった。ベルリン国際映画祭で監督賞を受賞した本作は、主人公が夫の出張中に疎遠になっていた3人の女友だちと再会する様子を追う。主演のキム・ミニとは7度目のタッグ。

2102xx-koreanmovie-4.jpg

『逃げた女』女友だちを訪ね歩く女自身が心に葛藤を抱えて……。ホン・サンスらしい心理劇的コメディ。  ●監督・脚本・編集・音楽/ホン・サンス ●出演/キム・ミニ、ソ・ヨンファ、ソン・ソンミほか ●2020年、韓国映画  ●77分 ●配給/ミモザフィルムズ ●初夏、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次公開予定

また、前作『真実』をフランスで撮った是枝裕和監督は、新作『ブローカー』を韓国で製作する予定。ソン・ガンホ、カン・ドンウォン、ペ・ドゥナなど実力派俳優が出演。国際的な話題となることは間違いない。

2102xx-koreanmovie-5.jpg

子育てが難しい人のためのベビーボックスをきっかけに交わる人々の物語。是枝監督は現在、脚本を執筆中。『ブローカー』(仮題)●監督・脚本/是枝裕和 ●出 演/ソン・ガンホ、カン・ドンウォン、ペ・ドゥナほか ●2021年、韓国映画 ●配給/CJエンターテインメント ●日本公開時期未定

texte : ATSUKO TATSUTA

Share:
  • Twitter
  • Facebook
  • Pinterest

清川あさみ、ベルナルドのクラフトマンシップに触れて。
フィガロワインクラブ
Business with Attitude
2024年春夏バッグ&シューズ
連載-鎌倉ウィークエンダー

BRAND SPECIAL

Ranking

Find More Stories