「母親になったことを後悔」する女性たちの告白。

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母親でいる、ということは理想とは程遠く、なかには子どもを持って悔やんだと告白し、幻滅してしまう女性もいる。先月末、あるハッシュタグがフランスで話題になった。

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母親であることは理想とは程遠く、なかにはバックして人生の方向転換をしたい女性や、そこまでではなくても失望や悔恨の念を打ち明けたい女性がいる。photo : Getty Images

3月末、ツイッターの深い奥底から、言うに言われぬ、ある告白が浮かび上がった。母親であることにまつわる苦しみや、ときには後悔の念が、「#RegretMaternel(母親になったことを後悔)」というハッシュタグを付けてつぶやかれたのだ。

すべては@DocMarmottineというユーザーのツイートから始まった。「子どもの頃からずっと母親になることが夢だった。私には“母性本能”があると思っていたし、(中略)その本能が目覚めるのを待っていた。けど、ク**タレ、あてが外れた」と彼女はつぶやいた。

さらに彼女は、このようなつぶやきを投稿した。「もう耐えらんない。食事の支度、反抗、けんかへの対応、すごくいろんな要求をされるわりに、1ミリたりとも認められない。(中略)このことを前から知ってたら違うふうに行動してたかもしれないけど、率直に言って、私が待っているのは、子どもたちが成長して、教育を受けて、自立することだけな気がする。再び、自分の人生を歩めるように」

このツイートは赤ちゃんを持つ母親の間で突如として話題となった。翌日、@Fable_21というユーザーがこのつぶやきを支持して共有し、母親たちに、「#RegretMaternel」というハッシュタグを付けて、自分のストーリーをツイートするよう提案した。

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究極のタブー

以来、母親たちのツイートが連なっている。彼女たちはみな、子どもは愛しているが、母親として課された役割は好きではないとつぶやく。「男性と結婚し子どもを持つのが当たり前のよう育てられたので、それが自分のしたかったことかどうかなんて、まったく疑問に思ったことはなかった」と@BrouetteDは打ち明ける。

 

「私は息子たちを何よりも愛しているし、子どもたちもそれを知っている。 とはいえ、この社会で母親でいることは大嫌いだし、もしもう一度人生をやり直せるとしたら、私は母親にはならない。いろんな意味で大変だし、夫婦であっても孤独で、支えられないことが多すぎる」

 

母親であることの重圧や精神的負担について語る人は、実に多い。@jaienviedecrier(「叫びたい」という意味)は、「ママとしての人生は私に合わない」と打ち明ける。「自分の時間が、今よりももっと必要。自分の仕事や能力をもっと認めてほしい。子どもがいても、私自身の能力をきちんと評価してほしい」

また、母親でいることの孤独感や、サポートが不十分だと吐露する人もいる。「絶え間ない要求をしてくる子どもたちを抱え、彼らの命を守ることがこれほど厳しく、孤独を感じることだったなんて、もっと前に知っておきたかった。孤独、でも、決してひとりにはなれない。(中略)トイレに行くときでさえ」と@MelusineHoffmanは嘆く。

 

「セラピストに子どもを持たないことを伝えた。すると「(それを決めるには)若すぎる」「後悔するよ」と返ってきた。そこで、彼女の診療所には、子どもを産むべきではなかったという理由で来ている親が何人いるのか尋ねてみた。大きな沈黙があった」

 

しかしこれらの打ち明け話は、一部の人の耳には届かない。ある女性ユーザーは「私のママが、母親であることをひどく悔やんでいるこんな女の人たちみたいに考えてないといいんだけど。ツイートに使われる言葉の中には、かなりキツいのもある」と嘆く。

他にも不妊症で苦しむカップルへの侮辱と捉えたり、避妊や中絶に頼るよう訴える人もいる。「母親であることが好きではないと言うと、非難の目を向けられることがある。体外受精を経験した人からは特に」と若い女性ユーザーは語る。

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判断する前に耳を傾ける

世界的な評価を得ている証言集『母親になったことを悔やむ』の著者である、社会学博士のオルナ・ドナトは、数年前からこのような偏見があることを暴き、女性や母親の言葉にもっと耳を傾けるよう提唱してきた。

2019年、マダムフィガロのインタビューで、博士はこの現象を次のように分析している。「母であることを神聖化する社会で、(中略)女性はしばらくの間このプレッシャーから解放されますが、それは女性が冷静さを取り戻すまでのこと。そのような社会は、彼女たちの苦悩を真に理解することも、彼女たちが幸せになるために本当の改革を実行するわけでもないのです」

「赤ちゃんをお腹に宿した途端に押し寄せる愛の津波—それは、多くの人に苦しみをもたらす偉大な母性神話のひとつ。子どもが生まれたばかりの時には、自分が母親として一種の“欠陥品”なのではないかと思わせてしまうほど」

また、本音を打ち明けることにより母親と子どもとの関係が崩れる、という先入観を覆す意見も出始めている。

「母は私たちの誕生を望んだけれど、それは母にとって、とてもつらいことだった。なぜなら、強烈な喜びの瞬間の後には、理解されず、不安で、いらだち、疑わなければならない瞬間が続いたから」と@Foxies16は語る。「これは当然のことで、彼女たちが悪い母親であるということでは決してない」と、このユーザーは締めくくっている。

texte : Tiphaine Honnet (madame.lefigaro.fr), traduction : Yuriko Yoshizawa

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