美しい男が想う、美しい女。

「心に歌を、虹を持つ人」佐野元春が惹かれた、岸惠子という存在。

特集

世代も職業も異なる6名の男性に、自身が考える美しい女性とその理由を訊いた。ミュージシャン・佐野元春が惹かれたのは、女優の岸惠子。スクリーンの中に、彼が見出した「美」とは?

心に歌を、虹を持つ人。

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岸 惠子|女優
1932年生まれ。51年、『我が家は楽し』でデビュー。代表作は、『君の名は』『雪国』『かあちゃん』など。2002年にフランス芸術文化勲章オフィシエ、04年に旭日小綬章を受章。


これまで美しい女(ひと)に思いを寄せたことがあまりなかったので、自分なりに考えてみました。

ひとつには正直であること。それから誰に対しても分け隔てがないこと。人に対して思いやりのある人は所作も美しいです。生きる知恵を持っていて歳を重ねることを恐れない、たとえて言えば野に咲く花のような強さを持っている。つまりそれは、雨風にひるまないということです。そして、人生のおおらかさに気づかせてくれる人。男はともすると、人生において本当に大切なことを見失いがちです。場合によっては命すら二の次にしてしまうことがある。そんな時に、本当に大切なものは何なのかを思い起こさせてくれる。そういう女性。

ルックスで言えば、夜会巻が似合ってデコルテが美しい。そしてユニバーサルなマナーを身に着けている人。そうして辿り着いたのは、岸惠子さんでした。といっても、岸さんにお目にかかったことがあるわけではなく、僕にとっての岸さんは銀幕の人。それでも漏れ伝え聞くその半生は、僕が思い描く美しい女ひとに近く感じました。作品で言えば小津安二郎監督が撮った『早春』。この作品は、僕が生まれた1956年に公開されていますので、だいぶ後になって拝見したのですが。心に歌を持っている、心に虹をかけている。スクリーンの中の岸さんにそう感じました。なんとなく母親に似ていた。それもひとつの理由のような気もしますが。

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60代
佐野元春|Motoharu Sano
ミュージシャン

1980年、レコーディング・アーティストとして始動。92年、アルバム『スイート16』で日本レコード大賞アルバム部門を受賞。2004年に独立レーベルDaisy Musicを始動し現在にいたる。6/16には、デビュー40周年を記念して『MOTOHARU SANO THE COMPLETE ALBUM COLLECTION 1980-2004』を発売予定。

*「フィガロジャポン」2021年7月号より抜粋

interview & text: Yukiko Yaguchi

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