2021年 第94回カンヌ国際映画祭 観衆の心を掴んだ、マット・デイモンと仏女優の視線。
Culture 2021.07.10
パンデミックによる中止、そして度重なる延期を経て7月6日にフランスで開幕したカンヌ国際映画祭。フランス「Madame Figaro」が現地の様子をレポートします。
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レッドカーペット3日目。
7月8日、『スティルウォーター』の主演俳優がふたりそろってカンヌ国際映画祭のレッドカーペットに登場した。やや緊張気味のカミーユ・コタンと共演者のマット・デイモンがにこやかに大舞台のフォトコールに応じた。
ムサ・マースクリ、アビゲイル・ブレスリン、トム・マッカーシー、マット・デイモン、カミーユ・コタン、リルー・シオヴォ、イディル・アズーリ。 (カンヌ、2021年7月8日)photo : Getty Images
7月8日、第74回カンヌ国際映画祭の大階段は見事な180°横開脚で幕を開けた。映画『スティルウォーター』の上映を控えたレッドカーペットで、無名の若い女性が向こう受けを狙って身体の柔らかさをアピールするというハプニングが発生した。
しかしこの日の大階段の真の見どころはこれではない。クロワゼット通りに集まった観衆の心を掴んだのは、誰も思いもよらなかったデュオ、フランス人女優カミーユ・コタンとアメリカ人俳優マット・デイモンだ。
トム・マッカーシー監督作『スティルウォーター』で主演を務めたふたりは、打ち解けた様子で笑顔を浮かべ、仲睦まじく視線を交わしながら、フラッシュがひらめく大階段を一緒に上っていった。
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“マルセイユで2カ月間一緒に過ごした”
トム・マッカーシー監督作『スティルウォーター』でマット・デイモンが演じるのは、刑務所に収容されている娘(アビゲイル・ブレスリン)を救うために、オクラホマ州の片田舎からマルセイユにやって来た父親の役。父親はマルセイユで出会ったある主婦(カミーユ・コタン)に助けられながら、娘の無実の罪を晴らすために奔走する。
ふたり揃っての登場でクロワゼットを沸かせたカミーユとマットは、口々に撮影の思い出を語った。「マルセイユで2カ月間一緒に過ごしました。和気あいあいとした雰囲気でした」と、スリットドレスを完璧に着こなしたカミーユは高揚した表情を見せた。
やや興奮気味のカミーユは感動を抑えきれない様子。一方のマットはレッドカーペット常連の貫禄を漂わせていた。
ふたりの隣ではグリーンのビスチェドレスに身を包んだアビゲイル・ブレスリンが終始喜色満面。カミーユは映画で娘のマヤ役を演じたリルー・シオヴォにときおり愛情のこもった目配せを送り、レッドカーペットを進む間も彼女の手を握っていた。
グラン・テアトル・リュミエールに入場すると、観客のスタンディングオベーションに迎えられたカミーユは、目に涙を浮かべた。
text : Chloé Friedmann (madame.lefigaro.fr)