YouTubeで世界デビューした歌手、梶芽衣子とコラボ?!

Culture 2021.07.12

フィガロが選ぶ今月聞きたい新譜をセレクト! YouTubeで鮮烈な世界デビューを果たしたアルゼンチンの男女ふたり組、オーストラリア出身の実力派、ポルトガル出身のマルチタレントなミュージシャンの3組をチョイスした。暑さがだんだん増してくるこの季節、音楽に身をゆだねて乗り切ろう!

SNS経由で話題のオーガニックなふたり組。

『カンデ・イ・パウロ』/カンデ・イ・パウロ

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ユニバーサル ¥2,860

まさにリモート時代ならではのスターといってもいいだろう。YouTubeで公開された動画が話題になり、ワールドデビューに繋がったアルゼンチンの男女デュオが待望のデビュー。パウロが手がけるアコースティックでジャジーなサウンドと、コントラバスを弾きながら歌うカンデの落ち着いた声がしっとりと融合する。マデリン・ペルーやメロディ・ガルドーを育てた名匠ラリー・クラインがプロデュースしており、レナード・コーエンやルー・リードといった、カバーの選曲もセンスがいい。梶芽衣子とのデュエットという飛び道具にも驚かされる。

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困難を乗り越えてきた、たおやかなネオソウル。

『ムード・ヴァリアント』/ハイエイタス・カイヨーテ

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ビート ¥2,420

常に一歩先を進んでいる音楽といえば、真っ先に、オーストラリアから突如現れた彼らのことが頭に浮かぶ。5年ぶりとなる待望の新作を聴けば、グラミーに2 度もノミネートされた実力が健在であることがよくわかる。ジャズやR&B、ヒップホップなどをベースにしたプロダクションは決して珍しいものではないが、それでも斬新でスタイリッシュなビートとサウンドには何度もハッとさせられる。ボーカルのネイ・パームの病気など、さまざまな障害をものともせず、スケール感のあるフューチャーソウルを構築したグループの実力に、あらためて舌を巻く。

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世界中の音を自在に操る、唯一無二の才能。

『プライベート・リーズンズ』/ブルーノ・ペルナーダス

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ディスクユニオン ¥2,420

一聴するととてもソフトで親しみやすい。しかし、その裏には多彩な音楽表現が隠されている。そんな不思議な音を奏でるのは、ポルトガルの天才マルチミュージシャン。ポップなメロディを生み出すセンスはもちろんのこと、映画音楽のような管楽器やストリングスを取り入れたアレンジの芳醇さにも酔うことができる。中には、来日時の体験をもとに和音階を取り入れたナンバーがあったり、韓国語のナレーションが聞こえてくるなど、アイデアに満ちたおもちゃ箱のような作品になっている。ビジュアルのイメージも含めて、とにかくユニークな傑作だ。

*「フィガロジャポン」2021年8月号より抜粋

text:Hitoshi Kurimoto

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