まるで巨大なおもちゃ箱! チェ・ジョンファの展覧会。

ファッションやアート、食の複合ビル、ジャイル(GYRE)に足を踏み入れると、吹き抜けを貫くようにカラフルなオブジェがそびえ立っている。これに導かれるようにエスカレーターを上がり、3階のGYRE GALLERYへ。そこがこのオブジェを制作したアーティスト、チェ・ジョンファの個展会場だ。

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ジャイルの吹抜けに展示された、カラフルなアクリルのボウルを連ねた作品『Alchemy』(2019年)。

チェ・ジョンファは韓国を代表する現代アーティストのひとり。2018年の平昌冬季オリンピック・パラリンピックでは、開会式と閉会式のアートディレクターを務めた。その活動はジャンルにとらわれず、キュレーターやアートディレクター、プロデューサー、インテリアデザイナー、コレクターなど多岐にわたる。

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GYRE GALLERYでの展示風景。どこか懐かしさを誘う素材を使った作品が並ぶ。

日常にあふれたカラフルなオブジェを素材に作品を制作しながら、生活の豊かさとともに、過剰な消費によって成り立っている私たちのライフスタイルに疑問を投げかける。

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いずれも『Blooming matrix』と名付けられた、3つの作品。

チェはこれまでにも、廃棄された1,000個ものドアで10階建てのインスタレーションを制作し、ソウルのオリンピックスタジアムを200万個のゴミくずでできた花冠で飾るなど、その奇想天外な発想とスケールの大きさで、世代を超えた人々の心をとらえてきた。

「あなたの心がわたしのアートです」
これがチェ・ジョンファのモットーだという。作品を観る者の自由な発想に委ねる姿勢を表している。

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中央の鍋やボウルなどを繋げた作品は『 infinity』(2019年)。

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手前の『Black Lotus』は、呼吸するかのように膨らんだりしぼんだりを繰り返す。窓から見える表参道の眺めを借景にするように展示されていることにも注目。

空っぽの
わたしが食べていたお皿、あなたを食べさせていたお皿
あなたに力を分け与え、他人と共に生きろという
ご飯
茶碗
地と空の間で燦燦と輝く光になりました。
食べさせ食べることの世話をする
お母さん
あなたにこの光を捧げます。


これは、チェ・ジョンファが今回の展覧会に寄せた言葉。
“食べること”にまつわるいくつものオブジェが、アート作品に昇華しているのを目の当たりにすることができる。時には驚き、時には楽しいおもちゃを見つけたかのように笑みがこぼれる……そんな幸せなひと時を、会場で体感したい。

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 窓から入る自然光を受けて煌めく『Alchemy』(2017年)。

チェ・ジョンファ個展『花ひらく森 Blooming Matrix』
会期:開催中~2020年2月24日(月)
会場:GYRE GALLERY
東京都渋谷区神宮前5-10-1 GYRE 3F
Tel. 03-3498-6990
開)11:00~20:00
会期中無休
入場無料
http://gyre-omotesando.com

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