アメリカから期待の大型新人登場で、
ミュージックシーンからますます目が離せない!
Culture 2009.01.15
2009年アップカミングスター大予測 <CULTURE/MUSIC編>
音楽は時代を彩るのに欠かせない要素。2009年はどんな音楽が街にあふれるのか――?
当ウェブサイトのコラムも好評連載中の伊藤なつみさんに、今年の注目アーティスト男女各2組を教えていただいた。
まずは、女性アーティストから。
ジャズミン・サリヴァン 『Fearless』
(BMGジャパン) ¥2,300(2/24までの限定価格)
「彼女は14歳でレコード会社と契約していたことがあるほど、ソングライターとしてもシンガーとしても才能溢れる21歳。文句なく、今年のイチ押しでしょう。大雑把に言うなら、ローリン・ヒルとアリシア・キーズを彷彿させる歌声や存在感。音楽的にはR&Bを基盤にいろいろチャレンジしていて、可能性の高さを示しています。新人にして早くも第51回グラミー賞で5部門ノミネート。DVをテーマにするなど表現者として意識の高い歌詞も目に付く、アルバム『フィアレス』はオススメです」
アソビ・セクス『HUSH』
(EMI)¥1,980(スペシャルプライス、2月11日発売)
●アソビ・セクス
「もう1組は新人ではないものの、アルバム3作目にして日本デビューが決まったアソビ・セクスをご紹介。4歳から渡米している日本人女性Yuki(Vo&Key)とJames(G)によるユニットで、コクトー・ツインズやマイ・ブラッディ・バレンタインに影響されたシューゲイザー系。自分たちでドラムスのパートを打ち込むため、リズムやフレーズの発想がユニークだし、音のレイヤー(層)にこだわり、聴くたびに新しい発見があるよう細部にわたってサウンドの工夫がなされていて楽しめます。歌詞は英語に日本語を少しミックスしたもの。アルバム『HUSH』は2月にリリースされます」
続いて、男性アーティスト。こちらはイギリス発の新ジャンルと、あの日本人に大注目!
メトロノミー 『Nights Out』
(ワーナーミュージック) ¥2,580 2月11日発売
「UKロック・シーンは、クラクソンズに代表される"ニュー・レイヴ"というキーワードに続き、2008年は"ニュー・エキセントリック"なるジャンルが登場(命名はUKのObserver誌)。これはアート感覚の強い10代~20代の若手ミュージシャンを指していて、MGMTやフォールズといった文学に造詣の深いバンドや、フレンドリー・ファイアーズ、ファック・ボタンズなど国籍を問わない数多のバンドが含まれています。そういう意味で、FIGARO本誌1月20日発売号に紹介したトーキング・ヘッズ・チルドレンズはまさにここに含まれるのですが、そこへ新たに加わったのがメトノロミー。
メトノロミーは本国イギリスで昨年ブレイク。フランスのレーベルからアルバムを出したこともあってフランスでの認知も高く、日本ではこの2月に話題の2作目『ナイツ・アウト』でデビューすることになりました。ロック・バンドとしての演奏力に電子音楽の要素を強くミックスし、ライヴには女性のダンス集団スパークル・モーションが加わったり、メンバーも電飾の衣装を着るなどヴィジュアルからも楽しめる構成。音楽の可能性が無限大であることを感じさせてくれる3人組です。近日中にFIGARO.jpのコラムにインタビュー記事をアップします」
コーネリアス「SENSURROUND」
(ワーナーミュージック)¥4,200
「まったく新人ではないけれど、グラミー賞で最優秀サラウンド・サウンド・アルバム賞にノミネートされたコーネリアスにもぜひ注目して欲しいです。彼の音楽はもとより映像が素晴らしいことは、現在発売中のFIGARO本誌のとじ込み付録<年末年始は、たっぷりDVD>の中にも書きましたが、ノミネートされた作品『Sensurround + B-sides』は、国内で昨年発売されたヴィデオクリップ集『SENSURROUND』にサイドトラックCDを加えた編集盤で、アメリカEverlovingレーベルより昨年9月にリリースされたもの。コーネリアスの音楽に加え、辻川幸一郎、高木正勝、groovisionsらによるハイクオリティな映像が高く評価されたのでしょう。これまでもコーネリアスこと小山田圭吾は、ベック、スティング、ブラーなどの作品をリミックスするなどして絶賛され、一方で、世界各国の美術館で映像展を開くなどカリスマ的な人気を誇ってきました。既に有名ではあるけれど、このノミネートを機にさらなる飛躍を期待したいと思います」
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