12人に聞いた、二面性の取り入れ方。 #08 ストリートを核にした、アンバランスで自由なスタイル。
Fashion 2018.02.06
年齢や生き方もさまざまな、12名のファッショニスタたち。それぞれの哲学からうかがえる、秘められた二面性のヒントに迫る。HOLIDAYのディレクター、菊池紀子さんにとって二面性とは?
ストリートの洗礼を受けた、ひねくれたミックス感がカギ。
菊池紀子
HOLIDAY ディレクター
ホリデイのディレクターであり、ハイセンスな私服でも注目を集める菊池さんは、90年代に青春を謳歌した世代。そこで吸収したスケートカルチャーは特別で、いまでもスタイルの核に。「今日でいえばファクトのTシャツがそれに当たりますが、コテコテは好きではないので、一見アンバランスなイザベル マランのスカートや、セリーヌのサングラスで調整します。思えば昔から普通が嫌いで、ひねくれたバランスを好んできました。上はレースのトップなのに、下が急にアディダスのジャージとか。究極のアンバランスさにこそ、私の二面性は宿るのかもしれません」。メンズのプロダクトをミックスしても、菊池さんならば自然。それはかつてシルバーブランドに在籍していた時、裏原ブランドとコラボを重ね、ストリートの流儀に触れてきた背景があるから。「その時の教えは、ホリデイの服作りにも生きています。“おもしろくて普通じゃない”は私の人生のテーマ。これからも概念に縛られず、自由にファッションを楽しみたいですね」
USミリタリーの腕時計に、ジャムホームメイドの武骨なバングル。手元のアクセサリー使いにも、メンズの美学が宿る。
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*『フィガロジャポン』2017年11月号より抜粋
photos : TETSUYA MAEHARA, texte : YURI TANAKA