12人に聞いた、二面性の取り入れ方。 #05 ルームウエアをベースに、クラシックな小物使いを。
Fashion 2018.02.03
年齢や生き方もさまざまな、12名のファッショニスタたち。それぞれの哲学からうかがえる、秘められた二面性のヒントに迫る。
日常の延長線上で表現する、デカダンな2つの顔。
村田明子
MA déshabillé デザイナー
ヘンプを模したウールのパジャマに、レザーのロンググローブと琥珀色のミニバッグ。昼なのか夜なのか、はたまたドレスアップなのかダウンなのか。対極の要素が交錯する、トリッキーな合わせを披露してくれたのはエムエーデザビエの村田さん。アントワープでデザインを学んだ後、ヴィンテージのディーラーを経てデザイナーに。アトリエにこもって作業をしつつ、屋外で人に会う機会も多い。そんな彼女は、自身がデザインするルームウエアをベースに、クラシックな小物使いでオンオフの変化を楽しむ。「古きよき時代のファッションが好きですが、東京でそれをやると浮いてしまう。どこか抜けがないとスタイルとして成立しなくて。そんな時パジャマがいい機能を果たしてくれるんです。一見イージーだけど、素材は上質なので、ヴィンテージの小物をパパッと足すだけでサマになる。結局すごく便利なんです」。ライフスタイルから派生した手法ながら、誰ともかぶらない二面性に。その粋な発想には驚かされるばかりだ。
袖口にはエルメスのスカーフが配され、折り返しで見える仕様に。年代物のグローブとバッグも妖艶なムードを添える。
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*『フィガロジャポン』2017年11月号より抜粋
photos : TETSUYA MAEHARA, texte : YURI TANAKA