12人に聞いた、二面性の取り入れ方。 #06 服とメイクの絶妙なバランスが魅力的な女性像をつくる。
Fashion 2018.02.04
年齢や生き方もさまざまな、12名のファッショニスタたち。それぞれの哲学からうかがえる、秘められた二面性のヒントに迫る。メイクアップアーティストとして活躍するKyokoにとって二面性とは?
メイクの抜き差しで作る、ハッとさせる二面性。
Kyoko
メイクアップアーティスト
「東京の女性って、上から下まで完璧だなと思うんです。少しくらいヌケがあったほうが魅力的に見えるのに……」と語るのは、メイクアップアーティストのKyokoさん。彼女の二面性テクニックは、服とメイクの絶妙なパワーバランスのうえで成り立っている。「たとえば黒のロングコートなら、アイラインを引くと印象がきつくなるので、赤みのあるアイシャドウでぼかすだけにしたり。目元はノーマスカラで、少し気だるさを演出するくらいがちょうどいい。リップも輪郭をぼかしてアンニュイに。その方が洋服の強い印象とのギャップが生まれ、見ている側はドキッとしますよね」。服が強めならメイクは抜いて、逆に服がシンプルならメイクはしっかりと。Kyokoさん流の駆け引きの美は、NYでの修業期間に培われた部分も大きいという。「コンプレックスを受け入れて、盛るのではなく引いてみる。それが、埋もれていた自分の二面性を発見する一歩に繋がるかもしれません」
ロングコートにラカウサのオールインワンをイン。ヘアは高い位置でラフに結び、MM6のチェーンバッグで遊びを加えた。
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*『フィガロジャポン』2017年11月号より抜粋
photos : TETSUYA MAEHARA, texte : YURI TANAKA