Lanvin 上海に夢を描いた、ランバンの2021年春夏ショー。
Fashion 2020.11.26
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クリエイティブディレクター、ブルーノ・シアレッリから独占コメントが到着!
ランバンが“幸福の庭”上海・豫園を会場に選んだ理由。
ファッション業界にも多大な影響を与えたコロナ禍。ファッションウィークの形も大きく変わり、先に発表された2021年春夏コレクションでも、多くのブランドがSNSでのライブ配信などデジタルにシフトしたショーを開催した。
そんななか、オフィシャルインスタグラムでのライブ配信を軸に、現地のセレブリティやプレス関係者を招いて上海でショーを開催したランバン。上海を舞台に選んだ理由、ショーに込めた思いを、クリエイティブディレクターのブルーノ・シアレッリのコメントを交えながら紹介する。
ランバンの2021年春夏コレクションのショー会場となった上海の豫園。
© Courtesy of Lanvin
2020年10月。ランバンが2021年春夏コレクションを発表したのは、上海の豫園。16世紀の明代に造られた“幸福の庭”と呼ばれる庭園で、面積は約2万㎡に及ぶ。都会のなかにあって遠い昔の田園風景や詩情を感じさせる豫園は、急速に近代化が進む上海で中国の歴史を象徴する場所といえる。
古いものと新しいもの、遺産的なものと現代的なものの共存はコレクションにインスピレーションを与え、メゾンの伝統やアーカイブ、イデオロギーを見直すきっかけになったという。
「豫園は古き良き上海のような、とても象徴的なエリアです。また、私にとって映画のワンシーンを思わせる場所です。非常に刺激的で美しい、特別な場所。今回のコレクションについて、エキゾティックでオリエンタルなアールデコの巨匠の作品にインスパイアされたことも、この会場選びに繋がりました」
「さらに、豫園でショーを行ったブランドはランバンが初めて。さまざまな要素が重なり、コレクションのテーマも英語で豫園を表す“YU GARDEN”になりました。中国が世界のどの国よりも早く日常に近づき、オーガナイズの面でも上海がふさわしいと感じたのも豫園を会場に選んだ理由のひとつです」(ブルーノ・シアレッリ)
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18世紀に思いを馳せて、メゾンを象徴するスタイルを再解釈。
アールデコの隆盛によって、ファッションの世界でも直線的なシルエットが支持される傾向にあった1920年代。ドレスにロマンティックな要素を求めて、創設者のジャンヌ・ランバンが打ち出したのは18世紀の服飾にインスパイアされた立体感のあるシルエット。こうして、女性らしい柔らかなラインをもつローブ・ド・スタイルがランバンのシグネチャーとして知られるようになった。
ショーの前半に登場した、立体感のあるミニドレス。
© Courtesy of Lanvin
「ジャンヌ・ランバンのシグネチャースタイルにインスピレーションを得て、コレクションの冒頭はローブ・ド・スタイルから始まりました。テーラリングと柔らかなラインによって、アイコニックなボリューム感のあるドレスに仕上げています」
「また、ジャンヌが娘のために服をデザインしたところから始まったランバンにとって“母と娘”は欠かせないキーワードです。今回発表したドレスたちは、ブランドのシンボルでもあるロゴ“la mère et l’enfant(母と娘)”も表現しています」(ブルーノ・シアレッリ)
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アール・デコの巨匠にインスパイアされたプリントと刺繍。
ローブ・ド・スタイルを再解釈したドレスに加えて、注目すべきはブルーノ・シアレッリがアールデコの巨匠、ジャン・デュナンにインスパイアを受けて誕生したルックたち。
ショーの後半に登場した、ジャン・デュナンの作品に着想を得た金魚柄のドレス。
© Courtesy of Lanvin
漆芸家、彫刻家、銅細工家、インテリアデザイナーとしての顔をもつジャン・デュナン。特に、アールデコの幾何学模様をモチーフにしたグラフィカルで美しい漆芸作品で知られる。
「1930年の作品とされる屏風『Forêt』や1920年代に制作された屏風『Fortissimo』など、彼のラッカー塗りの作品から影響を受けて、プリントやジャカード、刺繍に落とし込みました。ショーのラストでは、デュナンの最も象徴的な家具のいくつかに登場する金魚のモチーフを採用しました」(ブルーノ・シアレッリ)
このほか、コレクションにはランバンを象徴するリボンをさまざまな形で立体的に表現したドレスやマニッシュなラインが女性らしさを際立たせるジャケットやコート、流れるようなラインで上品な男性像を提示したメンズのルックなどが登場した。
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>> 注目のルックをピックアップ
上海の“幸福の庭”を舞台にしたショーの背景には、1920年代のアールデコ、そしてそこに影響を与えた中国美術の存在がある。そこには、フランスと中国の絶え間ない文化交流のなかで育まれてきた、美しく、唯一無二のものを大切にするスピリットが感じられる。
ボリュームのあるローブ・ド・スタイルとアールデコを思わせる直線的なシルエットが共存している点にも、伝統あるパリのブランドが上海の歴史的な場所でショーを行ったことの意味が見いだせるかもしれない。場所を移しても変わらないもの。どこでも、いつの時代も豊かに花開くもの。それはランバンに息づく永遠のエレガンスだ。
コロネット
tel:03-5216-6518
photos:© Courtesy of Lanvin, texte:NAOKO MONZEN