サンローランの歴史を刻んだアイテムがオークションに。
Fashion 2020.12.10
クリスマスまであとわずか。そんな時期に、フランスの競売会社「コルネット・ド・サン・シール(Cornette de Saint Cyr)」は、500点以上ものサンローランのヴィンテージアクセサリーと服のオークションを実施中だ。
フランソワーズ・アルディが身に着けたサンローランのケープもオークションにかけられる。 photo : Getty Images
サンローランは1960年代に黄金時代を迎えた。65年、ファッション界はイヴ・サンローランによるモンドリアン・ポリアコフ・コレクション(*)のモンドリアン・ドレスを称賛した。そのアイテムはすぐに若きデザイナーのシンボルのひとつとなった。
そして間もなく、モデルだけでなくすべての女性たちに着てほしいという考えから、サンローランはパリのトゥルノン通りにサンローラン・リヴ・ゴーシュ・ブティックをオープン。ファッションが一般の人々に浸透しはじめたことで、サンローランの伝説は一気に世界へと広がった。
それから数十年経ったいまでも、イヴ・サンローランのファッションはコレクターたちを魅了し続けている。そして今月、オートクチュールのアーカイブに特化したヴィンテージショップ「キダム・ド・レヴェル(Quidam de Revel)」のオーナー、エマニュエル&フィリップ・ハロズ夫妻は、1967年〜79年のイヴ・サンローランのコレクションをオークションにかけた。
*ロシア出身画家のセルジュ・ポリアコフとオランダ出身画家のピエト・モンドリアンからインスパイアされて発表したもの。
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貴重な時代の作品。
フランソワーズ・アルディが着用したケープ付きロングフロックコート、メゾン・ルサージュが刺繍した赤いカーディガン、1970年の雑誌「パリ・マッチ」でカトリーヌ・ドヌーブが着用したロングベルトドレスなど、メゾンのアーカイブから合計500以上ものアイテムが、コルネット・ド・サン・シールのウェブサイトで12月3日から販売されている。
貴重な時代のアイテムの価格は、シルクブラウス40ユーロ(約5,000円)〜刺繍が施されたイブニングジャケット12,000ユーロ(約150万円)ほど。多くのアイテムはイヴ・サンローランの才能をいま一度思い起こさせるだけでなく、イヴ・サンローランのインスピレーションであった、アンドロジナスな確固たる美学が印象的な時代のファッションをたどることができるものばかりだ。
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1957年、メディアはイヴ・サンローランの才能を見いだした。
1957年10月24日、メディアを通じてデザイナーの死を知ったクリスチャン・ディオールのアトリエで働く若い社員たち。photo : Getty Images
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1957年11月15日、メゾン・ディオールのトップに任命されたばかりの若きデザイナー、イヴ・サンローランによる初記者会見。photo : Getty Images
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世界最年少のファッションデザイナーに選ばれたイヴ・サンローランのポートレート。photo : Getty Images
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フランスのラジオでの初インタビューに答えるイヴ・サンローラン(21歳)。photo : Getty Images
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1957年11月16日、記者会見の翌日、黒板に描くイヴ・サンローラン。photo : Getty Images
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1958年1月、イギリスのブレナム宮殿でのチャリティーパレード中、モデルに囲まれているイヴ・サンローラン。photo : Getty Images
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1957年、モンターニュ通りでメゾン・ディオールの中心人物であったマルグリット・カレとレイモンド・ゼナッカーに囲まれる新アート・ディレクターのイヴ・サンローラン。photo : Getty Images
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1958年、ロンドンでファンに囲まれるイヴ・サンローラン。photo : Getty Images
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texte : Augustin Bougro (madame.lefigaro.fr), traduction : Hanae Yamaguchi