カントリーハウスでの週末。バーバリーが提案する2025年冬の装い。
Fashion 2025.03.11
イギリスの田舎に建つ大邸宅の色褪せたインテリアとそこに漂うボヘミアンな空気。バーバリー2025年ウィンターコレクションは、それらがインスピレーション源となっている。
「週末の逃避行だと思ってください。金曜の夜にロンドンから田舎に出かけて雨の中を散歩したり大自然の中でくつろいだりする。ウィークエンドの手荷物を持って訪れる、ちょっと風変わりでややボヘミアンな壮大なカントリーハウスへの日帰り旅行です」。チーフ・クリエーティブ・オフィサーのダニエル・リーはそう説明する。
会場となったのはテムズ川沿いに位置するテート・ブリテン。1500年代のチューダー朝から現代までのイギリス美術を収蔵・展示することで世界的に知られた歴史ある美術館だ。ここが選ばれた背景には、今後1年間にわたってバーバリーが同ギャラリーの絵画保存スタジオでの保存修復作業を支援するパートナーシップが結ばれたことがあるという。
イギリスの広大な田舎の情景を描いた、ドレープをふんだんに寄せたカーテンがランウェイを取り囲む。
© Burberry
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ショーはブラウンのブルゾンに大きなマフラーを巻き、乗馬用パンツを思わせるジョッパーズにサイハイブーツのモデルでスタートした。続いて登場したスリムパンツを合わせたタータンチェックのプリーツスカートやゼラニウムの花がプリントされたキルティングジャケットは、どこかパンキッシュでエキセントリックだ。
Look 1 © Burberry
Look 14 © Burberry
Look 11 © Burberry
インテリアファブリックを思わせるダマスク柄のベルベットのドレスやテーラードスーツは、70年代のロックスターの装いを彷彿とさせる。
Look 25 © Burberry
Look 32 © Burberry
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得意とするアウターウェアにもさまざまな新しい解釈がプラスされている。たっぷりとしたシルエットのパーカはレザーで仕立てられ、ストリングによるギャザーがこれまでにない表情を作り出している。シグネチャーのトレンチコートもレザーをはじめフェイクファーなど素材を変えることで新しさが加わっている。たくさんのフリンジで飾ったスタイルはトレンチだけではなくドレスでも登場。これまでにないシルエットを生み出している。
Look 61 © Burberry
Look 44 © Burberry
Look 46 © Burberry
Look 53 © Burberry
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足元は乗馬用を思わせるブーツ、18世紀のコートシューズに発想を得たポインテッドトゥ、バッグはバーバリーチェックのトートやリニューアルしたBクリップバッグが目を引いた。
Look 25 © Burberry
Look 43 © Burberry
Look 7 © Burberry
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そして今回大きな話題を集めたのは「ダウントン・アビー」のエリザベス・マクガヴァン、「ザ・クラウン」のレスリー・マンヴィル、「ソルトバーン」のリチャード・E.グランドという、イギリスを舞台にした映画やドラマでお馴染みの名優たちがランウェイでモデルを務めたことだ。
Look 10 © Burberry
Look 47 © Burberry
Look 52 © Burberry
「素晴らしい俳優たち、そして彼らが出演した映画やテレビの作品を通して、わたしたちはドレスアップのルールについて多くを学ぶことができます。今回のコレクションに反映させるために、そのルールを解き明かしました。古き時代のルールが新しい時代のルールに生まれ変わり、室内用家具の生地が屋外用の服に生まれ変わる。登場した俳優陣は、ボヘミアンな浮薄さを上手く表現してくれました。彼らは服を生き生きとさせる方法を知っているのです」とリー。
フロントロウも同様に大勢のセレブリティで賑わい、ロンドン・ファッションウィークの最終日の夜を華やかに締めくくった。






























































photography: Burberry text: Miyuki Sakamoto