ヴァレンティノ、17人のアーティストとコラボレート。
Fashion 2021.07.30
2021年7月16日、ヴァレンティノは21/22年秋オートクチュールコレクション「ヴァレンティノ デ アトリエ」を、現代美術の祭典「ヴェネツィア・ビエンナーレ」期間中にガッジャンドレ造船所で発表。
今回は世界で活躍するコンテンポラリーアーティスト17名とコラボレートし、夢あふれるコレクションを製作。クリエイティブディレクター、ピエーロパオロ・ピッチョーリは、メゾン ヴァレンティを中心にした「作り手のコミュニティ」を作りたいと、アーティストをアトリエに招き、ファッションとアートの境界線を越えるべく対話を重ねた。
「相手に耳を傾けて話を聞くという行為は、オートクチュールのように、まさにアートのように長い時間を要します。そのためプロジェクトはゆっくりと進行しました。私たちの日常のペースではないかもしれませんが、私が生きたいと願う世界としてとても適切でした」

® Gregory Copitet
ファッションとアート、異なるクリエーションをヴァレンティノのアトリエワークがひとつにした。
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Joel S Allen Hooked on Svelte
オーストリッチと蛍光色が融合したドレスは、米国人アーティスト、ジョエル・S・アレンのファイバーアート作品がモチーフ。
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Anastasia Bay La danse Bleue, 2020
ブリュッセル在住のアーティスト、アナスタシア・ベイのマチスの作品をオマージュした絵画はIラインのドレスに。
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Jamie Nares Blues In Red #1
英国人アーティスト、ジェームス(ジャミー)・ネアーズのブラシで勢いよく描いた抽象画は、ラストルックに。
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Words and concept by GLR / filming editing by Ginevra Gatti
Music: Goldfinch: Flight to the north - Axletree
製作過程を追いかけた映像では、ピッチョーリを中心にアトリエスタッフがオートクチュールの繊細な刺繍、色彩、生地をアーティストと共有しながら、話し合う様子が映し出されている。
このプロジェクトをピッチョーリとともに進めたイタリア人キュレーター、ジャンルイジ・リクペラッティは「『ヴァレンティノ デ アトリエ』は、絵画とオートクチュール、コンテンポラリーアートと服飾美術というふたつの異なる世界のコンサートであると想像してください。そこでは、それぞれがお互いの歌を聴いてから、自身の声を発音するのです」
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ショーのフィナーレ。「ヴェネツィアの光とパワーは作品を発表するうえで完璧」と語る
ピッチョーリ。
ゲストは鮮やかなコレクションが映える白いドレスコードで出席。夕陽が落ちていくガッジャンドレ造船所を舞台に、英国のシンガー、コジマのライブパフォーマンスが響きわたった。ピッチョーリは、自身のインスタグラムでこう語った。「このプロジェクトは『つながり』によって生まれました。『つながり』とは、あらゆるものが育つ肥沃な土地なのです」。
photography: Valentino, text: Maki Shibata