あの人が語る"偏愛"ブランド。 画家の薄久保 香が語る、マメ クロゴウチ。

Fashion 2021.11.19

等身大の和の心を映す、現代を生きる女性のための服。

Kaoru Usukubo × Mame Kurogouchi
薄久保 香 × マメ クロゴウチ

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春先から秋まで着られる、身体の締め付けがないAラインのワンピース。

何でもない日に動き出す活力を与えてくれ、特別なシチュエーションでは、凛とした美しさと着心地のよさを発揮する。薄久保さんが万能な一着だと語るのは、生成りの綿のワンピース。肌を露出せずとも、襟や袖のカッティングが女性らしい点を気に入っている。

「金木犀や小さな草花の刺繍のモチーフを見ると、不思議な懐かしさを感じます。デザイナーが、日常の心惹かれる瞬間を服にする論理性と猛進するエネルギーがあふれる洋服なのに、日本人の中にある感性が確かに流れているのがわかる。エレガントだけど、河川敷に佇みたくなるようなリアリティがあると思います」

日本が誇る伝統的な技術を用いながら、和をひけらかすことのない現代の日本人の感覚など、アンビバレントな側面が存在するのもこのブランドの魅力だという。

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自身の作品である工業的なマテリアルを用いたデスクの上には、アイコンのPVCバッグが。

「アイコンのPVCバッグは、工業的な素材の光の反射や特性を生かしたデザイン。主観やエゴのない“ものの認知を変える視点”に感動を覚えます。素材の新たな美を見いだす、上品で洗練されたアイデアだと思います」

ベルリンで開催した自身の個展には、自国の服を着たいという気持ちからこのブランドのニットワンピースを着て臨んだ。

「私にとって神社みたいな存在。地域に密着した建造物で内と外の隔たりがなく、心地いい緊張感もある。シルエットやデザインはもちろん、精神的にも違和感なく着られます」

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編み地模様のトップとジャカード花のモチーフのスカート。
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展示会で魅了された、最新コレクションの板締め絞りとマーブルの染め。2種類の技法を駆使したルックに注目。
マメ クロゴウチ
イッセイミヤケでデザイナーを務めた黒河内真衣子が、2010年にスタートした自身のブランド。18年より、パリのファッションウィークに参加。日本の伝統的な技法や職人の手仕事を取り入れた、オリジナルのテキスタイルや刺繍が特徴。
www.mamekurogouchi.com
薄久保 香
画家、現代アーティスト。2010年、東京藝術大学院博士課程修了。現在は東京と京都に活動拠点を置いて制作をしながら、東京藝術大学美術学部絵画科で准教授として油画の教鞭をとる。
www.kaoru-usukubo.com

*「フィガロジャポン」2021年10月号より抜粋

photography: Okabe Tokyo editing: Aika Kawada

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