トゥモローランド、バイヤー山野邉彩美のスタイルヒストリー。

Fashion 2022.01.03

素敵に見える人たちは、どんなふうに自分のワードローブを作り上げてきたのか? 物選びのプロである女性たちに取捨選択してきたアイテムやマイルールについて聞いてみた。


物語や哲学のある服を選べば、循環するワードローブに。

山野邉彩美

TOMORROWLAND バイヤー

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この日のブラウスはフランスのシャツ専門ブランド、ブリエンヌのもの。 そこにバッカのレザーベストとボトムスをミックス。イタリアのブレンタのブーツで引き締める。

自分が集めてきたものは“作り手の表情や哲学が見えるもの”だと語る山野邉彩美。必然とワードローブにはジャケットやシャツ、コートが多くなった。
「会社では月曜日はジャケットとシャツの日と決まっています。良いものを身につけて仕事へのスイッチを入れることが習慣づいたら、自然とジャケットやシャツに興味が行きました。私は“物事を調べること”が好きなので、ブランドの物語やデザイナーのインスピレーション源、職人の技を調べれば調べるほど興味が湧いてくるタイプ。仕事柄、トレンドアイテムや新しいデ ザインを見る機会も多いのですが、自分のために買うものは、長く使えるかどうか、それを循環させていけるかというポイントを重視しています」 
若い頃はその日の気分を服で表現したけれど、近頃は変わってきたと言う。
「いまは自分と向き合う時間が増えたのか、自然とシンプルなものを着るようになりました。バッグは持たないことが多いのですが、その代わりに作家もののファインジュエリーを選ぶとしっくりきます。歴史について興味を持ったメンズのヴィンテージのミリタリーパンツを穿いたりと、基本的にマニッシュなものが好きなんですよね」

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山野邉が重要視する、哲学のある作り手の代表格はドリス ヴァンノッテンやメゾン マルジェラ。17-18秋冬シーズン、100回目となるショーのコート(左)や昔買ったメゾン マルジェラのジャカードのコート(右)は、永遠のワードローブ。

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オランダ人デザイナーによるワンダラーは山野邉の偏愛バッグ。「基本的にレザーバッグか手ぶらの2択」と潔い。

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上の写真と同じワンダラーのショルダーバッグは、シックなカラーを選択。パソコンも入れてデイリーに使 っている。¥143,000/ワンダラー(トゥモローランド)

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「ものができあがるプロセスが好き」(山野邉)。自らも週一で陶芸教室に通っている。実際に食卓で使ってみることを考えるなど、用と美のバランスを心がけている。

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世界一おしゃれなメンズファッションと評される“サプール”を追った写真集。世界最貧国のひとつであるコンゴ共和国に住みながら、実に年収の平均4割を海外の高級ブランドの服に費やす。「知的好奇心を刺激する写真が好き」(山野邉)。

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アクネ ストゥディオズのジャケットはこれからのシーズンに活躍する一着。「シャツやカットソー、ニットとジャケットとのスタイリングが楽しいんです」

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20世紀後期にイギリスを拠点に活躍した陶芸家のルーシー・リーは山野邉が憧れる女性。ものづくりを突き詰めた姿勢に心惹かれている。ボタン作品も好き。
山野邉彩美
AYAMI YAMANOBE
トゥモ ローランドバイヤー。大学卒業後トゥモローランド、エディション、スーパーエーマーケットの店舗 に勤務。後に接客業をこなす傍ら、ディスプレイやバイイングに携わり、現職に至る。
●問い合わせ先:
トゥモローランドワンダラー
0120-983-511(フリーダイヤル)

*「フィガロジャポン」2021年12月号より抜粋

 

photography: Masaki Miyashita editing: Michino Ogura

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