キム・カーダシアンが纏った「世界で一番高価なドレス」とは?

Fashion 2022.05.07

メットガラ2022を祝うため、アメリカのセレブ、キム・カーダシアンが史上最も高価なドレスを着て登場したのは、気が遠くなるような準備の結果だった。

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メットガラでのキム・カーダシアンとピート・デヴィッドソン。(ニューヨーク、2022年5月2日) photography: Abaca

「最も頭に浮かぶアメリカ人女性とは? マリリン・モンローである」。2022年のメットガラでキム・カーダシアンが選んだ衣装は、こんな思考からだった、とヴォーグに打ち明けた。その衣装は、1962年、ジョン・フィッツジェラルド・ケネディに「ハッピーバースデー」を贈った際に着用されたドレスである。あれから60年、アメリカのリアリティ番組で活躍する彼女が、この伝説の作品に身を包み、話題を呼んでいる。何千ものクリスタルが刺繍され、さりげなく透けているこのドレスは、ボブ・マッキーがデザインし、フランスのクチュリエ、ジャン=ルイ・ベルソーが女優マリリン・モンローのために製作したものである。マリリン・モンロー本人しか着用していない、唯一無二の衣装だ。色々な意味で神話的なドレスである。

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記録的なドレス

マリリン・モンローが亡くなるわずか数カ月前に、非常に官能的なパフォーマンスを披露した際の重要な要素であるドレスだ。この有名なドレスは今でも人々の記憶に残っている。その極めてセクシーなキャラクターは、60年代の純血主義的なアメリカを揺るがしたが、また一方で彼女は人々を魅了したのである。当時、わずか1000ドル(約13万円)強で入手したジャン=ルイ・ベルソーの作品は、1999年と2016年の2回、ジュリアン・メゾンのオークションで落札された。そして今回、このドレスは480万ドル(約626万円)という史上最高額で取引された。現在は、リプリーズ・ビリーブ・イット・オア・ノット・ミュージアム(カリフォルニア州サンフランシスコ)が所有している。つまり、着ること自体がチャレンジだったのである。

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厳しい監視のもと

真の芸術品であるこの刺繍のドレスは、通常、温度20度、湿度50%を超えない一定の環境下で、暗所に保管されている。それを身につけるという夢を叶えるために、キム・カーダシアンは非常に厳しい手順を踏まなければならなかった。作品のレプリカを使ったフィッティングからスタート。この第一段階の後、オリジナルのドレスは、彼女のボディガードとともにプライベートジェットでキムのもとに運ばれた。手袋をはめて2度目のフィッティングを行ったが、合わなかった。そこでドレスを変えるのではなく、キム・カーダシアンは大幅なダイエットを行い、7キロの減量に成功した。数カ月後、最後のフィッティングを行ったとき、「ドレスは手袋のようにぴったりになった」と彼女は言う。

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メットの階段でのパフォーマンス

 

 

しかし、話はそれで終わりではない。メットガラでは、キム・カーダシアンは貴重なドレスのお直しのリスクを避けなければならなかった。汚れないように普段の美容グッズを変え、この日のために作られたフィッティングルームで、キュレーターに手伝ってもらいながら着用していたという。「一歩一歩、時間を計って、階段を上る練習をした」と打ち明ける。数秒間の名声の後、コレクターズアイテムをレプリカと交換しなければならなかった。モンローの衣装を身につけた数秒間の代償である。

text: Mitia Bernetel (madame.lefigaro.fr), translation: Hanae Yamaguchi

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