アイコンバッグに宿る、ものづくりのものがたり。 写真への愛が詰まった、アニエスベー流のカメラバッグ。
Fashion 2023.02.24
フランス・ヴェルサイユ近郊で弁護士の父のもとに生まれたアニエス・トゥルブレが創業したアニエスベー。当初は美術館の学芸員を志していたが断念。その後、雑誌『エル』の編集者やフリーのデザイナーを経て、1975年にパリにオフィスとアトリエを兼ねたショップをオープン。古い肉屋をフルリノベーションしたショップは、表現や交流の場としても機能しており、常に活気があったという。アンディ・ウォーホルもお気に入りの場所で、「ショップに飾ってほしい」とNYから自身の作品を送ってきたというエピソードも。アートに造詣が深く、有名無名を問わずアーティストをサポートしてきたアニエスらしい逸話だ。
「そのときどきのトレンドを追う服ではなく、とてもシンプルで、スタイリングによって女性らしさが楽しめる服を披露できる場所が欲しかったのです。私はシンプルで少しラフ、そして着心地のよい服が大好きです」と語るアニエス。1977年に発表したカジュアルかつシックなボーダーTシャツや1979年に前開きのスウェットが欲しくてつくったカーディガンプレッションは、まさに着心地よくシンプルで合わせやすいアイテムとして大ヒット。どちらも現在に至るまでブランドを代表するベストセラーだ。
1975年にオープンしたショップの店内で撮影したアニエス・トゥルブレのポートレート。
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写真を愛するアニエスならではのアイコンバッグ。
「アンジェル」は2015年に誕生して以来、継続で展開している人気定番のレザーバッグ。バッグ「アンジェル」(H16×W25×D8.5cm)¥42,900/アニエスベー
人々の暮らしに寄り添うエッセンシャルなアイテムを得意とするアニエスは、1993年にバッグとレザーグッズのライン、アニエスベー ボヤージュをローンチ。ラインナップのなかでも、「アンジェル」は写真を愛する彼女ならではのアイコンバッグ。編集者時代に本格的に写真を撮り始めたアニエスは、自ら撮影した写真をウェアに転写したりショップに飾ったりすることも多い。2015年にはカメラバッグにインスパイアされた「アンジェル」を発表。以来、シーズンごとに素材、色、サイズを変えてさまざまなバリエーションを展開している。
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アニエスは各シーズンのなかで特にお気に入りのバッグに愛着をこめて名前を付け、自らペンを取って名前を書くのだとか。もちろん「アンジェル」や追って紹介する新作「ヴァニティ」もアニエス直筆の名前をもつバッグだ。
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New Item
バッグ「アンジェル」(H13×W21×D8.5cm)¥39,600/アニエスベー
早咲きの野花をイメージしたフレッシュな色のレザーバッグが揃う今季のアニエスベー。「アンジェル」にも晴れた日の空に映える爽やかなレモンイエローが新色としてお目見え。フロントに大きなジップポケットを配しているほか、背面にも何かと便利なフラットポケットが付いている。
バッグ「ヴァニティ(大/写真中央)」(H17.5×W21×D10cm)¥49,500、バッグ「ヴァニティ(小/写真右、左)」(H14×W17×D10cm)¥44,000
カメラバッグに着想を得たレザーバッグとして、この春は新たに「ヴァニティ」が登場。左右に設けたマチのあるポケットとフロントの「b」マークがポイント。コンパクトなサイズ感ながら収納力も機能性も優秀。
アニエスベー
tel : 03-4355-0110
editing: Naoko Monzen