アイコンバッグに宿る、ものづくりのものがたり。 アーカイブを再解釈した、バレンシアガのアイコンバッグ。
Fashion 2023.02.24
1895年にスペイン・バスクで裁縫師の母のもとに生まれた創業者のクリストバル・バレンシアガ。テイラーで修業したのち、サン・セバスティアンにブティックを構える。好評を得て王族も顧客に名を連ねていたが内戦により渡仏し、1937年にパリで自身初のクチュールコレクションを発表。ウエストをシェイプしないゆったりとしたバレルルックやサックドレス、チュニックなど当時非常に斬新だった構築的なシルエットを数多く発表。クリスチャン・ディオールと並んでモード界に革命を起こした。
クリストバルは構築的なシルエットから“クチュール界の建築家”、デザインからパターン、縫製まですべてこなせるクチュリエが稀だったことから“真のクチュリエ”と称えられ、現代の人気デザイナーたちにも大きな影響を及ぼしている。
プレタポルテの煽りを受けて閉鎖したこともあったが、90年代に復活。2015年からジョージア出身のデムナがアーティスティックディレクターを務め、ブランドの礎を再解釈して現代に蘇らせている。バッグについても例外ではなく、今回フォーカスする「アワーグラス」「クラッシュ」も、クリストバルの名作のひとつであるバスクウエストコートから着想を得たものだ。
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名作コートのシルエットに着想を得た「アワーグラス」。
現在も人気定番として展開されている“初代”「アワーグラス」。バッグ「アワーグラス S トップハンドルバッグ」(H15×W23×D10cm)¥346,500/バレンシアガ(バレンシアガ クライアントサービス)
2019年ウィンターシーズンに初登場した「アワーグラス」は、砂時計のようにウエスト部分がくびれたシルエットをもつクリストバルの名作・バスクウエストコートを再解釈したバッグ。コートのウエストラインに通じる緩やかなカーブをバッグの底につくり、平面に置くとわずかな空間ができるのが特徴。自立するかっちりしたつくりながら、絶妙な抜け感をあわせもったデザインだ。
カーフレザーのクラシカルなワンハンドルバッグだが、取り外し可能なストラップによりクロスボディなどでカジュアルに持つこともできる。アイテムは違えど、エレガンスと実用性を備えたクリストバルのクリエイションと大きな共通点をもつバッグだ。
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New Item
バッグ「アワーグラス XS トップハンドルバッグ」(H13×W19×D8cm)¥825,000/バレンシアガ(バレンシアガ クライアントサービス)
バッグ「アワーグラス S トップハンドルバッグ」(H16×W24×D11cm)¥372,900/バレンシアガ(バレンシアガ クライアントサービス)
この春はラインストーンや初登場のフェイクシアリングなど、豊かな表情をもつ素材を全面にあしらった新作が仲間入り。どちらもエレガンスと遊び心が共存する仕上がり。完成度の高いシルエットだからこそ素材の魅力が最大限に引き立つという好例だ。
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「アワーグラス」から派生した新アイコンバッグ「クラッシュ」。
デビューシーズンから継続で展開しているクラッシュドカーフレザー。今季はSサイズが仲間入りした。バッグ「クラッシュ S チェーンバッグ」(H15×W25×D8cm)¥324,500/バレンシアガ(バレンシアガ クライアントサービス)
2022年7月に発売された「クラッシュ」は、「アワーグラス」の系譜を継ぐ新アイコンバッグ。半月型のカーブをもつシルエットはそのままに、ワンハンドルをチェーンストラップにチェンジ。ストラップは瞬時に一連か二連かを変えることができる便利な2wayタイプ。
素材の面でも変化があり、ハリのあるカーフレザーを中心とする「アワーグラス」に対して折り曲げることができるソフトでしなやかなレザーを採用。クラシックなハンドバッグの脱構築を目指して、よりカジュアルな印象を強めたバッグだ。
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バッグ「クラッシュ S チェーンバッグ」(H15×W25×D8cm)¥374,000/バレンシアガ(バレンシアガ クライアントサービス)
バッグ「クラッシュ M チェーンバッグ」(H20×W31×D7cm)¥401,500/バレンシアガ(バレンシアガ クライアントサービス)
クラッシュドカーフレザーのキルティングもデビューシーズンから展開している定番的な素材。こちらの2点は今春の新色。ソフトでパフィなテクスチャーで、使用感も快適。
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バッグ「クラッシュ S チェーンバッグ」(H15×W25×D8cm)¥341,000/バレンシアガ(バレンシアガ クライアントサービス)
この春に初登場した型押しのクロコダイル。リュクスな素材感×カジュアルに持つことができる長めのストラップの組み合わせは華やかなシーンにもデイリーユースにもマッチ。デニムスタイルなど、あえてラフな着こなしに合わせるのもおすすめ。
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Celebrity
ホワイト&キルティングの「クラッシュ」がオールブラックの着こなしに映える女優のハン・ソヒ。
女優のサルマ・ハエックはチェーンと本体が同色の「クラッシュ」をセレクト。シックなバッグがブラック×ネイビーのシンプルなワントーンの着こなしにマッチ。
オールブラックの着こなしに「クラッシュ」をプラスしたファッションインフルエンサーのペルニーレ・タイスベック。ゴールドのチェーンと「B」のロゴがさりげないポイントに。
ハン・ソヒやサルマ・ハエック、『ユーフォリア』で一躍脚光を浴びたバービー・フェレイラといった女優からペルニーレ・タイスベックやリッキー・トンプソンなどSNSスターまで、「クラッシュ」を愛用するセレブリティは実に多彩。「クラッシュ」がどんな着こなしにも馴染むバッグということを彼らのスナップが雄弁に物語っている。
バレンシアガ クライアントサービス
0120-992-136(フリーダイヤル)
editing: Naoko Monzen