アイコンバッグに宿る、ものづくりのものがたり。職人技と豊かな感性を融合した、ロエベの「パズルバッグ」。

Fashion 2023.03.01

1846年にスペイン・マドリードで職人たちがレザーの工房をつくったことがロエベの始まり。1876年に工房を訪れたドイツのレザー職人、エンリケ・ロエベ・ロスバーグが製品の素晴らしさに感動して参画。以降、彼がリーダーシップを取り、自身の名前を冠して工房の活動を統合することに。こうして小さなレザー工房がロエベという名前でブランドとして歩み始めることになった。

上質なレザーと優れた職人技を融合したレザーバッグは、デザイン性も高く、貴族や富豪たちの間でたちまち評判に。1905年には王室御用達の称号を授かり、名実ともにスペインを代表するブランドとして世界的な知名度を獲得する。1970年にスペインの画家、ヴィンセント･ヴェラによって考案されたアナグラム（4つのLを組み合わせたロゴ）、1975年にはアイコンバッグ「アマソナ」が誕生。このふたつはアップデートをしながら現在もロエベを象徴する存在として愛されている。

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歴史あるブランドの新章を切り拓いた若き天才。

2013年、クリエイティブディレクターに就任した際のジョナサン・アンダーソン。

スペインを代表するレザーブランドとして地位を確立していたロエベの“新章”がスタートしたのは2013年。24歳にして既に自身のブランドを立ち上げていた北アイルランド出身の気鋭の若手デザイナー、ジョナサン・アンダーソンをクリエイティブディレクターに抜擢したのだ。

彼は当時29歳の異例ともいえる若さで老舗ブランドの改革を進めることになったが、結果としてリニューアルは大成功。ブランドの歴史とアイデンティティに敬意を払い、クラフトを軸に添えてより多角的な展開を進めている。特に、コンテンポラリーアートや工芸に対する支援活動はクラフトを何よりも大切に考えているロエベならではの取り組みだ。

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ジョナサン・アンダーソンが初めて手がけたアイコンバッグ。

もっとも定番的な色、タン（明るめのブラウン）。デビューコレクションではミディアムのみの展開だったが、同じ年の秋頃にスモールサイズが誕生した。バッグ「パズルバッグスモール（クラシックカーフ）」（H16.5×W24×D10.5cm）¥409,200/ロエベ（ロエベジャパンクライアントサービス）

「パズルバッグ」は、若きクリエイティブディレクターが就任後に初めて手がけたバッグ。デビューシーズンとなる2015年春夏コレクションでランウェイに登場して大きな話題を呼んだ。日本の折り紙から着想を得たという、
名前の通りパズルのように配したレザーパーツが特徴。バッグ１点につき75枚の高品質なレザーを精密に組み合わせて完成するという。

ジョナサン・アンダーソンの感性と職人技が融合した傑作は老若男女を問わず多くのファンを獲得。現在ではロエベのアイコンバッグとして圧倒的な知名度と人気を誇る。

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New Item

バッグ「TOKYO 1973／パズルバッグスモール（サテンカーフ）」（H16.5×W24×D10.5cm）各¥458,700/ロエベ（ロエベジャパンクライアントサービス）

今年はロエベにとって日本におけるアニバーサリーイヤー。ロエベジャパンの50周年を祝福して発売された限定コレクション「TOKYO 1973」では、スムースでマットな質感のサテンカーフで仕立てた「パズル」がアッシュグレーとオニキスブルーの2色をまとって登場。ロエベジャパンの設立年を刺繍したアイキャッチーなジャカードストラップがシックな限定色に映える。

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バッグ「パズルエッジバッグスモール（サテンカーフ）」（H16.5×W24×D10.5cm）¥458,700/ロエベ（ロエベジャパンクライアントサービス）

こちらは中国の陶芸にインスパイアされた「モノクロームコレクション」の「パズルバッグ」。このコレクションでは、中国の伝統的な陶芸技術と明・清時代のモノクローム（単色釉）にスポットライトを当て、写真のライトモーブなど上品でシックな色をラインナップ。レザーとアナグラム、ステッチ、メタルパーツなどの色を統一してひとつの色の美しさを称えている。卯年にちなんでバッグと同色の陶器製うさぎチャームが付属しているのもポイント。