アイコンバッグに宿る、ものづくりのものがたり。 美術館から生まれた、マックスマーラの「ホイットニー」。
Fashion 2023.03.02
1951年、創業者のアキーレ・マラモッティが北イタリアで創業したマックスマーラ。曾祖母が女性向けのテーラーを経営し、母は社会が戦争に翻弄されていた時代に若い女性たちに有益なスキルとして裁断や縫製の技術を教えるなど、ファッションと起業家精神にあふれた女性たちに囲まれて育った彼は、学業を終えた24歳でファッションビジネスをスタート。既存のヨーロッパの華やかなオートクチュールの文化に、アメリカの現代的な産業プロセスを導入することを考え、ブランドの前身であるコンフェツィオーニ マラモッティを設立する。最初のコレクションでは後の名品に繋がるキャメルコートを発表した。
こうして、洋服=手づくりが一般的だった当時のイタリア女性たちに衝撃を与えたマックスマーラ。上質な素材とていねいなものづくりによるシンプルシックなmade in Italyのウェアは、自立した女性たちから絶大な支持を得るようになる。なかでも、1981年に発表した「101801」、2013年に発表した「テディベアコート」を始めとするコートはブランドを象徴するアイテム。
シンプルなデザインでどんな着こなしにもマッチするうえ、上質な素材を美しく仕立てているため、ストリートからレッドカーペットまでどんなシーンにも対応してくれる。若手のitモデルから大女優まで、マックスマーラのコートを愛用するセレブリティは数知れない。アイコンコートはハイクオリティかつタイムレス、そして「主人公は常にマックスマーラを纏う女性その人であり、服が主役ではない」というマックスマーラのアイデンティティを鮮やかに体現するアイテムだ。
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世界的な建築家、レンゾ・ピアノとのコラボレーション
2015年に誕生した“初代”「ホイットニー」。ホイットニー美術館のファサードの色を想起させるブルーグレーをまとったこちらは、シリアル番号入りで発売された限定250個のエクスクルーシブアイテム。
それまでバッグを強く打ち出していなかったマックスマーラが、2015年、NYで移転オープンしたホイットニー美術館のオープニングで発表したアイコンバッグが「ホイットニー」だ。イタリアブランド×NYの美術館×アイコンバッグ。唐突な組み合わせに見えて、三者には深い繋がりがある。現代美術を支援するために設立されたホイットニー美術館。アキーレ・マラモッティも同じ目的で私設ミュージアムを設立しているほか、マックスマーラは英国における次世代のアーティストの発掘と育成を目指すアートの公募展を主催している。
そして、新しいホイットニー美術館の設計を手がけたのはイタリアを代表する建築家、レンゾ・ピアノだった。アートに対する姿勢とイタリアという共通点をもつホイットニー美術館の門出にあたって、マックスマーラは建物の個性を反映したバッグの制作を思いつく。「なぜバッグなのか? 自立する構造をもつバッグはレンゾ・ピアノの建築を反映するのにもっとも最適なファッションアイテムでした」と語るのは、現在クリエイティブディレクターを務めるイアン・グリフィス。
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ブラウンとネイビーは誕生当時から継続で展開している定番カラー。バッグ「ホイットニー(ミディアム)」(H25×W32.5×D12.5cm)¥294,800/マックスマーラ(マックスマーラ ジャパン)
バッグの底部に至るまでホイットニー美術館のファサードに着想を得たデザインが施されている。どこから見ても美しいデザインだ。
レンゾ・ピアノ率いるレンゾ・ピアノ・ビルディング・ワークショップとのコラボレーションによってうまれた「ホイットニー」は、柔らかく上質なカーフレザーでホイットニー美術館の外観やファサードを表現したミニマルでモダンなデザイン。バックルやスナップといった金具も美術館の構造部材をもとにデザインされている。それ自体がアートとも呼べるバッグで、実際、ニューヨーク州立ファッション工科大学美術館にコレクションとして収蔵されている。
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ホイットニー美術館と「ホイットニー」の関係を端的に表現した秀逸な動画。
フローリン・ステットハイマーの作品「Sun」(1931年)にインスパイアされて誕生した5周年記念の限定バッグ(全5色)。
2020年には「ホイットニー」の5周年を記念して、20世紀前半に活動したアメリカの画家、フローリン・ステットハイマーにオマージュを捧げるスペシャルエディションを発表。周年に画家をフィーチャーしたのも、美術館との深い繋がりによってうまれた「ホイットニー」ならではだ。
フローラルプリントをライニングにあしらった5周年記念の限定バッグ。やわらかな色使いと幻想的な作風で知られるフローリン・ステットハイマーへのオマージュにぴったりなディテールだ。
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Celebrity
2015年から数年にわたってマックスマーラの広告キャンペーンを務めたジジ・ハディッド。こちらは2015年、NYでスモールサイズの「ホイットニー」を携えていた際のスナップ。
photography: MPI67/Bauer-Griffin/Getty Images
マックスマーラがスポンサーを務めたホイットニー美術館の移転オープニングパーティにて、ジジと同じく黒のスモールサイズをチョイスしたサラ・ジェシカ・パーカー。
photography: Taylor Hill/Getty Images
ホイットニー美術館がNYに位置するだけあって、サラ・ジェシカ・パーカーやエマ・ロバーツ、ジジ・ハディッド、カーリー・クロスなどNYを拠点とする女優やモデルたちの愛用率が高い「ホイットニー」。
デザイン性もさることながら、収納力のあるスクエアな形状やふたつのコンパートメント、取り外し可能なストラップ付きなど高い機能性を備えたバッグだという点も、アクティブなNYのセレブリティたちに愛されている理由かもしれない。
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New Item
バッグ「ホイットニー(スモール)」(H21×W24×D11cm)¥249,700/マックスマーラ(マックスマーラ ジャパン)
新作は明るく軽やかな色や素材がラインナップ。開口部は定番から少しアップデートがあり、これまでシングルタイプだったファスナーが頭合わせのダブルファスナーに変更になった。こちらはこれからの季節にぴったりなイエロー。上質なカーフレザーと鮮やかすぎない落ち着きのある色味が洗練された印象を演出してくれる。大人に似合うイエローだ。
バッグ「ホイットニー(スモール)」(H21×W24×D11cm)¥249,700/マックスマーラ(マックスマーラ ジャパン)
ブラックのカーフレザーと濃いデニムを組み合わせた新鮮なデザイン。着こなし次第できれいめにもカジュアルにも仕上げることができる優れもの。
マックスマーラ ジャパン
0120-030-535(フリーダイヤル)
editing: Naoko Monzen