Delvaux デルヴォーのバッグに宿る、フランス職人の愛。

Fashion 2023.04.28

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1829年にベルギーに誕生し、そのクオリティの確かさはもちろん、クラシックな美しさとモダンさが調和するデザインで、多くの人に愛されるバッグブランド、デルヴォー。1972年に発表されたアイコニックなバケツ型バッグのシリーズ「PIN」に、今年、涼やかな表情のヤナギ製ボディを備えた限定ピースが加わった。その誕生秘話を求めて、フランス・ロワール渓谷に向かった。

 

デルヴォーの「Pin Mini Bucket Osier」が生まれる、ロワール渓谷のアトリエを訪ねて。

 

川の中洲に浮かぶ美しい姿で知られるアゼ=ル=リドー城から、車で10分ほど。伝統的なヤナギのカゴ作りで知られるヴィレーヌ=レ=ロシェの村で、カトリーヌ・ロマンは夫のクリストフとともに、ヤナギの栽培とカゴ細工のクリエイションを手がけている。

クリストフはカゴ細工のMOF(フランス最優秀職人)。カトリーヌは、籐家具とカゴ細工の技術の両方を操るアート職人。ふたりのサヴォワールフェール(技術)と自由な発想から生まれるクリエイションは、キッチンやリビングを彩る実用的なカゴから、フォルムの美しい照明や家具までさまざま。建築家の依頼でオーダーメードの室内装飾も数々手がけてきた。

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カトリーヌ・ロマン。 女性として初めて籐家具職人の資格を取得。カゴ細工のMOFの称号を持つ夫のクリストフとともに、アトリエROMAND’ARTを開く。一点ものの家具や照明器具、建築家やデザイナーと協働する室内装飾など、クリエイションを展開している。

彼女は単にデルヴォーのPINの製作を請け負う職人ではない。
PIN特有のカーブを描くレザー・ソールからヤナギのボディを編み上げるテクニックや工程をコンセプトから考えて、常に同じ形とサイズを実現するための木型や製作プロセスのすべてを考案したのは、カトリーヌ自身。それを可能にしたのは、彼女の持つ籐家具とカゴ細工の技術、クリエイティビティと発想力にほかならない。

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カトリーヌは、サンプル作りを手掛ける友人の紹介で、デルヴォーに出合った。
「ある日アトリエに届いたのは、シンプルな革製のPINバッグの見本がひとつ。興味がありますか?」と。
バッグは一目で気に入ったけれど、革職人と協働する仕事は初めてだった。カゴ細工に革職人がパーツを後づけすることは多いが、今回のケースは正反対。革製品のコンセプトをカゴ細工で表現することは、彼女にとっても初めての経験だった。

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PINバッグの見本とデザイン画、1枚のレザー・ソールを手に、カトリーヌはPINにヤナギのボディを与えるためのテクニックを考案し、製作のためのすべてのコンセプトを作り上げた。

「このバッグを作るのは本当に楽しかった。底がカーブしたこのフォルム!どうやってレザーとヤナギを合体させるか。頭の中で技術的な試行錯誤を繰り返しました。革とカゴ、どちらの手法も超えたテクニック、素材のメカニズムを考えなくてはいけなかった。素晴らしいチャレンジだったわ」
ひとつだけ受け取ったレザー・ソールを使って編み上げたサンプル第1号に、デルヴォーから、すぐにGOサインが届いた。
「カゴ職人に見せると、みんな目を丸くするわ。どうやってソールに穴を空けずにカゴと合体できたのか、ってね」とカトリーヌは笑う。

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PIN特有のカーブしたソールに沿った特製木型、ボディのフォルムを美しく保つための木型も考案。革紐とヤナギでストライプを描きながら編んでゆく。

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カーブを施した特製の木型の上で、カトリーヌはヤナギを手早く編んでゆく。あらかじめ水に浸したヤナギの茎は、手の中でしなやかに曲がって茎と茎の間をすり抜ける。茎どうしが奏でるキューッという音。編み目を詰めるため、金属製の平たい槌でトントン、と叩く音。白いヤナギの茎と、2色の茶の革紐が織りなす優しいストライプが、少しずつ高さを増していく。

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革紐とヤナギが描くストライプ。カトリーヌの手が、しなやかに素材を操る。

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金属製の槌でトントン、と編み目を詰める。こうして生まれたヤナギのカゴは、レザーに勝るとも劣らない丈夫さ。

ボディを編み上げる手仕事は、約5時間。製作を手掛けるのは、カトリーヌとクリストフ、彼らのアトリエで働く若き職人アリス・ラベイをはじめとする、PINのための9人の職人チームだ。カトリーヌは、PINの製作のために、フランス各地で出会った、信頼できる職人を選んだ。
「どれもきっちりと同じ形に仕上げるために、木工職人をしている息子に木の型を作ってもらった。6人の職人を1週間私のアトリエに呼び、全員にPINの作り方を学んでもらいました」

クリスティーヌ・ベルテ、ステファン・フォレ=ドゥロー、フランソワ・デプランシュ、ステファニー・カルトゥロン、ピエール・アベルノ、カレル・クチュリエ。エンジニア、版画家など、別の職業から転身し、伝統的なカゴ作りにとどまらない目と手を持つ6人の職人が、いま、それぞれのアトリエで、PINを編んでいる。

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素材には、職人たちが自ら栽培したヤナギが使われている。
カトリーヌとクリストフが栽培しているのは、自宅近くのアンドル川のほとりの8500平方メートル。水の豊富なこの土地で、ヤナギは大地からまっすぐ上に向かって伸び、80センチから3メートル50センチまでの高さになる。冬の初めに刈り取ったヤナギは、足元を水につけた状態で越冬させ、5月ごろに皮を剥く。こうして、カゴ作りのための素材が出来上がる。

自らの手で丹精したヤナギは、籐のように熱や道具の力を借りなくても、水と手で扱えるしなやかさを持ち、衝撃を与えても折れたり割れたりすることがない。軽やかな見かけと違って、極めて頑丈な素材なのだ。
「ヤナギのカゴは、シミができても水でざぶざぶ洗って乾かせばもとどおりになる。時を経ても壊れないものです」とカトリーヌは太鼓判を押す。PINのサンプル第1号は、高温や低温、太陽にさらされ、重いものを入れて、さまざまな耐久テストを施されてもびくともしなかったという。

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デルヴォーのPINは、職人それぞれが自分で栽培するヤナギで編み上げられる。冬に刈り取られたヤナギの茎は庭の貯水槽に。4月のこの日、茎は新芽に包まれていた。

「このバッグはとても現代的で好きだわ。上質なのに古臭さがなくて、夏のワンピースに似合いそうでしょう?」カトリーヌは編み上げたボディを愛おしそうに眺める。

「職人の“小さな手”を尊重するデルヴォーと私たちの間に、信頼感が生まれた。PINのおかげでデルヴォーというレザーのファミリーと、私たちカゴ細工のファミリーが出会い、家族が大きくなりました」

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出来上がり!満面の笑顔のカトリーヌ。ボディにはこの後レザーのハンドルとキャンバスポーチが加わる。

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photo: Delvaux
上質な素材で職人の優れたクラフトマンシップを活かすというデルヴォーならではのこだわりを体現。特徴的なバケットバッグシルエットを新たな形で発表した。ヤナギ素材と贅沢なドリームカーフレザーを使用。内側にはスナップ開閉式のレザーバンド、取り外し可能な Canvas インナーポーチ付き。
「Pin Mini Bucket Osier」(H21×W18×D9㎝)¥503,800/デルヴォー(デルヴォー・ジャパン)

デルヴォー公式サイトへ

●問い合わせ先:
デルヴォー・ジャパン
tel : 03-6432-9125

director: JB Braud production: Parole production service: Noise Gate Circus producer: Adrien Privat line Producer: Jean Belloir art director: Gilles de Bagneaux sound & music: Corentin Lebon text: Masae Takata (Paris Office)

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