バレンシアガクチュール、制作の裏側に迫るスペシャル動画も。
Fashion 2023.10.30
PROMOTION
しばしば、新時代クチュールと形容されるデムナのクリエイション。彼が追い求めるパーフェクトな服作りを支えるのは、伝統の手仕事と、現代の技術と発想を生かした独自のサヴォワールフェールだ。
CRAFTSMANSHIP
2年前、創業者クリストバル・バレンシアガの歴史を継いで半世紀ぶりにクチュールを復活させ、モード界を熱狂させたデムナ。伝統と再先端のテクニックを融合し、創業者のクリエイションを現在の目で解釈するクチュールコレクションでは、独特の発想による現代のサヴォワールフェールが駆使されている。今回のコレクションでバリエーション豊かに登場したのは、伝統素材を現代の目で認識するトロンプルイユ。リネンのキャンバス地やコットン、あるいはレザーにハンドペイントを施して、パイソンやファー、グレンチェックといった別素材を描いた騙し絵だ。ステッチやボタンの典型的なディテール、肘や背中に寄ったシワまでが立体感あふれる表情で描かれ、その複雑な構図は手作業で縫い上げ、組み立てられ、構造がフラットな表面で流線化されている。
アトリエにてフィッティングの様子。構築的なテーラリングでシャープなショルダーがネックラインに映えるドレス。仕上がりを見守るデムナの姿も。
また、風に吹かれた形をそのまま静止させたようなカシミアのマフラーやウールのロングコートのシルエットも注目を集めた。この静止したようなフォルムは、丸2日をかけて手作業で仕上げられた。そして、アトリエの挑戦を物語る一着は、イブニングのビュスチエドレス。「ジュエリードレスを作る」というデムナの意志を実現したこのピースは、服地に後から縫い付ける従来の刺繍とは違い、1万個のクリスタルを全体にセッティングしたもの。土台作りから刺繍職人とパタンナー、クチュリエが共働したドレスの制作には、900時間が費やされたという。
CREATING TEXTILES
土台になる布地に刺繍するのではなく、3Dプリントのレジンストーンを、まるでジュエリーのように、ひとつひとつ手作業でセッティングしたビュスチエドレス。クチュールのアトリエとジュエリーメーカー、刺繍職人が、パターンメイキングの段階から手を携えて、まさに素材の段階からクリエイトされている。
水玉プリントのように見えるテキスタイルは細い紐がいくつも連なり面となったもの。歩くにつれ、ドットの表情が変化する。これまでに類を見ない印象的な一着。
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AS IF TO STOP TIME...
コットン製のトレンチコートは、風に吹かれたまま静止したようなシルエット。この「Coup de Vent(風に吹かれて)」のアイデアは、ウールのコートやカシミアのスカーフなど、さまざまなアイテムが登場した。丸2日間かけて手作業でフォルムが形作られ、表地を補強するために、熱彫刻された革新的なニットで裏打ちされている。まるで彫刻を纏っているかのような、不思議なエフェクトを感じさせる。
アトリエのマネキンに着せつけられたチェックのウールコートも、「Coup de Vent」のテクニックを使ったもの。
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DECEPTIVE PAINTING
上左: もうひとつ、コレクションにふんだんに盛り込まれたアイデアは、トロンプルイユ。ファーの表情をハンドペイントしたコート。 上右: 毛足の長いファーのように見えるのは、リネンのキャンバス地にハンドペイントを施し、中綿を加えたコート。
上左: ディテールがペイントされ、構造は流線化され仕上がったジーンズ。まるで本物のレザーパンツのような風合いが感じられるのは、オイルペイントを筆で加えて風合いを出したという280時間にも及ぶプロセスのおかげだ。 上右: レザージーンズのディテールを、ポケットやステッチ、シワまで描きこんだリネンのキャンバス地。
ファーストルックのアーカイブのドレスの制作、CADでデザインされた鎧と亜鉛メッキ樹脂で作られたフィナーレのドレスを仕上げたサヴォワールフェールを動画でーー。
photography: Courtesy of Balenciaga text: Masae Takata(Paris Office)