北欧発のブランドTotemeのジャケットとは?

Fashion 2024.02.16

SNSやストリートで見かけるようになってから2年以上経つが、シンプルなスカーフジャケットの人気はまだまだ衰えない。

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北欧発のブランドToteme(トーテム)のジャケットは、SNSで大人気。photography : Instagram@toteme

ウール混フェルトのジャケットはオーバーサイズのゆったりシルエットで、袖やポケット、縁に白いステッチが施されている。さらにこれが一番の特徴だが、同ステッチ同素材のスカーフが一体化されたジャケットでもある。2021年、スウェーデンのブランドTotemeの2022年プレフォールコレクションで初めて発表され、たちまち北欧の女性たちを虜にした。2022年には他のヨーロッパ諸国にもじわじわと人気が広まり、2023年にも勢いを継続、年が改まって人気が落ち着くかと思いきや、事態を一変させたのはK-POPグループBLACKPINKのリサが2024年1月中旬、韓国の仁川空港でこのジャケットを着て登場したことだった。

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おさらいしよう。このジャケットを出しているスウェーデンのブランドTotemeは、2014年にネットブロガーのエリン・クリングが夫のカール・リンデマンと設立したブランドだ。デザインのベースとなるのはシンプルなシルエット、独創的なカッティング、上質なファブリック。多くの魅力的なアイテムを販売しているなかでも、2022年にファッションシーンで一躍注目を浴びるきっかけとなったのが、このジャケットだ。

SNSで大ブレイク

このジャケットを"スコート(scoat)"と呼ぶ人もいる。"スカーフ(scarf)"と"コート(coart)"の合成語だ。スカーフ(マフラー)付きジャケットは他のブランドからも出ており、例えばフィービー・ファイロからは黒レザータイプが出ている。揃いのセーターやジレがある場合もあるようだ。Totemeではライトグレー、ダークグレー、ブラウン、ベージュの4色展開で、現在価格は880ユーロ、サイズは44(ヨーロッパサイズ)まで。TikTokで2700万ビューを獲得しているのはなかなかの数字だが、驚異的というほどでもない。TikTokが時にファッションの発信源になることは周知の事実だ。ちなみに、ZARAの茶色のレザージャケットは6500万ビュー、ベヨネッタメガネは5500万ビュー、ユニクロのラウンドミニショルダーバッグは1億3900万ビューに達した。Totemeジャケットはインスタグラムでも大人気で、主に20代から30代の女性インフルエンサーがよく着ている。ヒットの一因は、ひと目で見分けられる特徴的な形をしているため、非常にインスタ映えする点にあるのだろう。だがそれ以外にも人気を呼んだ理由が3つある。

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ヒットした理由

ひとつめの理由はクリーンガールの美学が広まったこと。もともとクリーンガールとはスキンケアに力を入れ、メイクはごくナチュラルにとどめるビューティートレンドを指していた。その後ファッションに広まり、いつもクリーンできちんとしているガールルックを表すようになった。ワードローブの基本となるのは、白いシャツやベージュのタックパンツなど、明るい無地色を中心とした統一感のあるアイテムだ。第二の理由は、たっぷりとしたウールに包まれる着心地の良さだ。季節の変わり目にも着やすい。最後の理由は、北欧ファッションが注目されていること。Ganni(ガニー)、Rotate(ロテート)、Arket(アーケット)、Acne Studios(アクネストゥディオス)、Stine Goya(スティーヌゴヤ)、Cecilie Bahnsen(セシリーバンセン)といった北欧ブランドの知名度が上がるにつれて存在感を増している。年2回開催されるコペンハーゲン・ファッション・ウィークへの注目度もアップしている。

困ったこと

ひとつだけ困ったことがあるとしたら、どんな流行にもつきものではあるが、Totemeジャケットのフェイクが出回るようになったことだ。そうした偽造品はぐっと安価で、時には30ユーロ程度で売っている。しかもグリーンやブルーマリンなど本物にはない色まである。US版「ヴォーグ」のショッピング・エディター、タリア・アッバスは同誌2023年11月号の記事のなかでこんなふうに語っている。「去年の秋に黒のTotemeジャケットを買って、長く着られるかなと思っていた。(中略)本物も偽物も取り混ぜて誰もが一枚持っている状況になると、輝きを失った感じがする」

流行りすぎてどこでも見かける服を着たくない人はどうしたらいいだろう。このブランドが気に入っているのなら、最近の同ブランドのコレクションの中から、スカーフ一体型のロングコートやダウンジャケットなど、他のアイテムを選んではどうだろう。スカーフ一体型のコンセプト自体が好きな人は、他のブランド、例えば&Other Stories(アンドアザーストーリーズ)などに目を向けるのもいい。同ブランドではよりベーシックなグレーのアウターなどを提供している。さて、あなたはどの北欧ブランドがお好み?

text : La Rédaction (madame.lefigaro.fr)

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