ISSEY MIYAKE KYOTOの展示で、HaaTの染色を知る。
Fashion 2024.04.01
テキスタイルから発想するブランドとしてイッセイ ミヤケから2000年に誕生したHaaT。ディレクター皆川魔鬼子のもと、日本とインドの工場と協働しながら、クラフツマンシップを大切にし、温もりある衣服と小物を提案している。2024年春夏は海と空のグラデーションからなる水平線に着想を得た「GRADATION CHECK」シリーズが登場。オーガニックコットンを100%使用したしなやかな肌触りのチェック柄綿ブロード素材に、3色のグラデーションをプリントしたトップスやワンピース、パンツがラインナップ。
自然の風景を眺めているような美しいグラデーションは、染め職人の手によって生まれる。
目の覚めるような鮮やかな発色は、京都で代々染め加工を行う捺染工場の特殊技法によるもの。まず3色の色糊を調合し、絶妙な加減で混ぜ合わせながらグラデーション状の色糊を作成。それをプリント台にのせ、木べらを用いて職人が何度も練り込む。この作業は「しごき」と呼ばれ、程よい混ざり具合は熟練職人の長年の経験がものを言う。このような工程を経て、インクジェットでは表現しきれない自然で美しい色合いが誕生する。
同じ生地でもアイテムによってさまざまな表情が生まれる。
2024年4月1日から5月28日まで京都のKURAにて開催される展覧会では色糊を発色・定着させた長尺の生地GRADATION CHECKと、染色工程を追った記録写真が展示される。ものづくりの臨場感に触れ、HaaTの表現世界に浸りたい。
ISSEY MIYAKE KYOTO|KURA「GRADATION CHECK」
開催場所:ISSEY MIYAKE KYOTO|KURA
京都府京都市中京区柳馬場通三条下ル槌屋町89
会期:2024年4月1日(月)〜5月28日(火)
text: JUNKO KUBODERA