Issey Miyake / Paris イッセイ ミヤケのパリ旗艦店がオープン!
Fashion 2024.04.19
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この2月、イッセイ ミヤケのパリ旗艦店がオープンした。歴史的建造物と最新モードが融合する新拠点の全貌を、空間デザインを手がけた吉岡徳仁のパリ現地スペシャルインタビューとともに公開!
新旧の時代が交錯するファサード。この建物が店舗として生まれ変わるのは初めて。
ISSEY MIYAKE
132 5. ISSEY MIYAKE
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HOMME PLISSÉ ISSEY MIYAKE
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パリ8区、通称ゴールデントライアングルと呼ばれラグジュアリーブランドが集結するエリアの中心となる、フランソワ1世通りに構えるイッセイ ミヤケのフラッグシップストア。それまでロワイヤル通りにあった店舗からの移転となるここは、かつてラジオ局のスタジオ所在地として知られていた19世紀フランスの歴史的建築。クラシックかつ重厚な石造りの外観をそのまま残したファサードから足を踏み入れると、広がるのは未来へのエネルギーが満ちた空間だ。
1階180.2平方メートル、天高5.1メートル、2階169.4平方メートル、天高3.3メートル、総面積は約360平方メートルにも迫る広々としたスペースに、イッセイ ミヤケのメンズ&ウィメンズウエアからバッグ、アクセサリー、パルファムまで、全9ブランドが一堂に揃う。
2階にディスプレイされた人気ブランドの新作アイテム。プリーツ プリーズ イッセイ ミヤケ
バオ バオ イッセイ ミヤケ
オム プリッセ イッセイ ミヤケ
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19世紀建築と21世紀のエネルギー。
石造りの壁に3つ並んだ大きなウィンドウから、ほのかに光るオレンジ色の壁が垣間見える。イッセイ ミヤケの新しい旗艦店は、19世紀後半に整備された、石造りの瀟洒な建築が軒を連ねるフランソワ1世通りの28番地。かつてブルトゥイユ侯爵の邸宅として建てられた、由緒ある建物だ。
1階。金属を使わない透明ガラスケース。ステンレスのラックにかかる服は宙に浮いているよう。服が平行に並ぶようハンガーの構造も計算されている。
エネルギーと光の色、オレンジ。
歴史的なファサードの向こうには、開放的な空間が広がっている。表通りからウィンドウ越しに見えたオレンジ色の壁が、白い空間に明るく力強い空気を運んでくる。デザインを手がけたのは吉岡徳仁。これまでも、昨年オープンの銀座店をはじめ、イッセイ ミヤケの店舗をいくつもデザインしてきた。
「初めてこの場所を見た時、非常に天井が高く、奥行きもあって、ボリューム感が素晴らしいと感じました。立体的な構造を生かして何かできないかな、と」と言う吉岡。グランドフロアがあり、奥に中2階、さらに2階を持つ3層構造で、奥の南向きの大きなガラス壁から自然光が入る。その場所を階段にすることを決め、店造りがスタートした。
中2階。電解技術の染色でオレンジ色にほのかに輝くアルミニウムの壁。
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「僕はシンプルなものが好きで、基本的には、何もなくても素晴らしい、という空間ができればいいと思っています。シンプルは、ただ何もないこととは違う。そこに、アイデアや、何かひとつ強い要素が欲しい」
パリ店の強い要素は、店のシンボルともいえるオレンジの壁。それは、「パリという歴史的な街と、新しい未来的な要素のコントラストを生み出したい」という考えを形にしたものだ。南から店内に差し込む自然光を受けて、ほんわりと発色するかのようなアルミニウムのオレンジは、電解技術による特殊な染色方法で可能になった。
「コロナや戦争、世界でいろいろなことが起きている中、ポジティブな光を放ち、未来を感じさせる空間が欲しかった。私にとってオレンジは光の源である太陽のエネルギーを象徴する色。パリはイッセイさん(三宅一生)が認められ、仕事をした、ファッションの中心地です。だからエネルギーのある力強い色にしようと考えた。イッセイさんには、服によって幸せをもたらすという考えがあります。そんなイメージでこの店をデザインしたつもりです」
2階。床は一面継ぎ目のないテラゾー。歴史と現代の技術を融合し、セメントに混ぜられた石の大きさ、色、配分にもこだわった。
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歴史建築がアイデアを刺激する。
金属のサポートを使わず、ガラスだけで作った陳列ケース。ステンレススチールでかっちり仕立てたラックには、色鮮やかなコレクションがまっすぐに並んでいる。すべてがまるで宙に浮いているような、浮遊感を感じさせるディスプレイが心地いい。
19世紀建築の建物の中で、ファサード以外に残されていたのは、ゴツゴツした素材感を残す石壁。吉岡さんはそれを生かす形で、ガラス製のエレベーターを設置した。
「古い部分はできるだけ残したい。そこに歴史の痕跡が見えますから」
ミラノ店を手がけた時、歴史建築の壁画の保存や床の修復を体験した。その経験を現代の技術と融合させて実現した、継ぎ目のないテラゾー(人工大理石)の床も美しい。
「自分では想像できないような要素の中に自分のデザインを組み込んでゆく。自分で体験したことのない歴史が、アイデアを倍増させてくれます」
丈の高い大きなウィンドウが内部のボリュームを際立たせる。
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吉岡徳仁
Tokujin Yoshioka
1967年生まれ。倉俣史朗、三宅一生のもとでデザインを学び、デザイン、建築、現代美術の領域において活動。2000 年、吉岡徳仁デザイン事務所を設立。代表作には、東京2020オリンピックの聖火リレートーチをはじめ、パリのオルセー美術館に常設展示されているガラスのベンチ「Water Block」、 結晶の椅子「VENUS」、虹の教会「Rainbow Church」、ガラスの茶室「光庵」などがある。作品はニューヨーク近代美術館やフランス国立近代美術館、ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館などに永久所蔵されている。国際的なアワードを多数受賞し、ニューズウィーク誌による「世界が尊敬する日本人100人」にも選出。
イッセイ ミヤケ パリ
28, rue François 1er 75008 Paris
33-(0)1-48-87-01-86
FRANKLIN D. ROOSEVELT
営)11:00~19:00(月~土) 11:00~18:00(日)
不定休
イッセイ ミヤケ
tel:03-5454-1705
photography: ©ISSEY MIYAKE INC. text: Masae Takata(Paris Office) editing: Mami Aiko