COS史上初! 日本の絞り染め職人とのカプセルコレクションを発表。
Fashion 2024.06.04
6月5日(水)、COS(コス)と京都の絞り染め職人、田端和樹のコラボレーション「COS×TABATA SHIBORI」が発売する。雪花(せっか)絞りや手筋(てすじ)絞りといった絞り染めの柄を落とし込んだアイテムは、ジャケットやパンツ、カフタンドレスからバッグまで全14点。伝統技術の柄を軽やかに、そしてモダンに浮かび上がらせたコレクションは夏の必須アイテムとなりそうだ。
これまでデザインオフィス nendoや建築家 藤本壮介など、日本のクリエイターとコラボレーションを重ねてきたCOSだが、伝統工芸や職人に注目し、タッグを組むのは今回が初めて。田端和樹とのコラボレーションに際して、COSのデザインディレクターであるカリン・グスタフソンはこう語る。
「コレクションの最大の着想源は"自然"でした。絞りの表現は"自然"ととても共通していて、なかでも"水"というキーワードを表現することを考えた時に、流動性や躍動感といった動きのある田端さんの表現は我々のイメージに非常に合うと感じたのです。私たちが実現したい、リラクシングでタイムレスなデザインになると確信しました」。まるで風に揺れる水面のようにドレスやパンツをはためかせながら、カリンは付け加える。「そして伝統工芸は、未来を見据えて大切に継承していかなくてはならないもの。この伝統を日本だけでなく他の国にも知ってもらうことは、大きな意義のひとつだと考えています」
---fadeinpager---
1年ほど前からスタートしたコラボレーション作業。当初、田端のインスタグラムにCOSからのダイレクトメッセージが届いた時には「スパムメールだと思った」のだそう。そんな始まりから幾度もディスカッションを重ねた。
"たばた絞り"は、伝統的な絞り染め職人の父を持つ田端が、自らの名を冠して創業した工房。一度は家業とは異なる音響・照明の仕事に就いたものの、同じく絞り染め職人として家業を担っていた叔父が亡くなったことをきっかけに、自らも伝統技法を守りたいと絞り染めの世界に飛び込むことに。古くから京都府一帯でつくられ、絹にしか染色してはいけないという決まりのもと50以上もの技法を持つ"京鹿の子絞り"を父から学び、研鑽を積んだ。
「絞り染めは1000年以上にわたって人から人へと受け継がれてた技法です。ものごとには流行り廃りがあって、変わっていくものだけれど、絞り染めは長い間続いており、守ってこられたということに説得力があり、それが強みです」(田端)。"たばた絞り"は、長年培われてきた技法と強みを活かしながらも、染色する素材に制限を設けていないことが魅力。自由度の高い発想だからこそ、今回のコラボレーションが実現したのだ。
---fadeinpager---
現在、多くの日本の伝統工芸は後継者不足問題に直面しており、絞り染めも例外ではない。コレクションの発売に先立ち、京都芸術大学では絞り染めへの理解を深めるべく、田端とカリンによるワークショップが行われ、学生や国内外のプレスが参加した。
「絞り染めは手仕事で希少な分、職人ひとりで仕上げられる数は限られており、認知拡大していくにも限界がありました。今回のCOSとの取り組みによって絞り染めを知ってもらい、またアイテムも本物以上のプリントで再現していただき、世界中に知ってもらえることが大きな喜びです」(田端)。
コレクションには、雪花絞り模様のプリントを施したシルクスカーフから手筋絞りが施されたリサイクルナイロンのアイテムなど、サステナブルな素材のアイテムも登場。セットアップや滑らかなドレスなど、COSのシグネチャーアイテムを絞り染め柄のプリントでアップデートした全く新しいカプセルコレクションが完成した。
発売は、COS青山店、マリン アンド ウォーク ヨコハマ店、ダイバーシティ店、公式オンラインストアで展開。さらに6月5日(水)から19日(水)まで、COS青山店では"たばた絞り"の特別展示も期間限定で開催。職人の手仕事の繊細さや力強さを感じられるこの機会にその魅力に浸って。
photography: COS