舞台はNY、エルメス 2024年秋冬コレクションの第2章。
Fashion 2024.06.24
エルメスは、去る6月6日の夜、ニューヨーク、マンハッタンのロウアー・イーストサイドのピア36で、2024年秋冬レディスコレクションの第2章を発表。
ランウェイはピア36。背景にはマンハッタンブリッジとブルックリンブリッジ、そしてマンハッタンの摩天楼が広がり、エルメスの伝統とニューヨークのエネルギーが出遭った。 ©️THEO WENNER
ウィメンズ・プレタポルテのアーティスティック・ディレクター、ナデージュ・ヴァンへが手がけたこのランウェイショーは、3月にパリで発表されたストーリーに新たな視覚的言語を加え、ニューヨークのリズム、エネルギー、そして時代を超えた楽観主義への頌歌となった。
コレクションのキーワードである《ロカバール》は、文化や言語を超えた遊びとコラボレーションの伝統を想起させる。もともとはストライプの馬用ブランケットの名前であり、スコットランドの馬具職人がかつてそう呼んだ「ラグ・ア・バール」は、1世紀以上の時を経て、鮮やかなアースカラーを基調としたエルメスを象徴するモチーフに。その色調とストライプのリズムを本コレクションではリュクスなウエアに昇華した。
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マンハッタンのストリート、橋、トンネル、高層ビル......歴史や交流、欲望の層の上に築かれた街と同じように、本コレクションも色、テクスチャー、コードのるつぼと化したパターンのモザイクとして生命を吹き込まれている。服やアクセサリーは注意深くレイヤードされ、独自のアティチュードを醸す。
©️THEO WENNER
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賑やかなレイヤードは、都市生活そのものと同じように折衷的で自由、斬新なシルエットを形成している。実用的でフェミニン、活発で獰猛、構築的で大胆。パリのエレガンス、フランスの卓越した職人技の伝統を体現するエルメスは、ニューヨークの空気にもしっくりとなじんだようだ。
©️THEO WENNER
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text: Natsuko Kadokura