女性アスリートにオマージュ、ディオールの24-25年秋冬オートクチュール。

Fashion 2024.06.26

コンコルド広場、アンヴァリッドやエッフェル塔前の広場で競技場の工事が進み、オリンピックへの気分がふくらむ6月末のパリ。真っ青に晴れわたった夏空のもと、オートクチュールコレクション週間が幕を開けた。ディオールのショーは、毎シーズン恒例となったロダン美術館の庭園に設置された特設会場が舞台。ディーヴァ・カッセル、ジス、キム・ヨナ、ファイン ジュエリー&タイムピーシズ アンバサダーの中谷美紀や女優の綾瀬はるかなど華やかなゲストが訪れた。

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©LAURA SCIACOVELLI ©Faith Ringgold @acagalleries ©Chanakya School of Craft

会場デザインはアメリカの黒人女性アーティスト、フェイス・リンゴールドの作品から。活動家としても知られるリンゴールドのエスプリはマリア・グラツィア・キウリの価値観に響き合う。

会場は鮮やかな色彩で描かれたアスリートたちの姿に包まれていた。毎シーズン、ディオールのショーは、女性アーティストを迎えたメッセージ性の高い舞台装飾も楽しみのひとつ。今回は人種差別や女性蔑視と闘い続けたアメリカの黒人女性アーティスト、フェイス・リンゴールドの作品が会場を飾った。ロサンゼルスの地下鉄駅のために制作されたスポーツする人物像の数々が、インドのチャナキア・アトリエの女性たちの手でひと針ずつ刺繍され、大きなパネルとなってランウェイを飾っている。

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金銀のビーズ刺繍がモザイクのように散りばめられたタンクトップに、ドレープのドレス。

パリでのオリンピック開催を目前にした今シーズン、マリア・グラツィア・キウリは、スポーツ界での平等を得るために障害を乗り越えてきた女性アスリートたちにオマージュを捧げた。彼女らしい古代ギリシャ風のドレスは、今シーズン、タンクトップを合わせてアシンメトリーなベアショルダースタイルで提案されている。タンクトップ、ボディスーツ、スカート風にアレンジされたパンツスタイルなど、上半身や脚、体全体の動きを自由にするスポーツウェアのエスプリがオートクチュールの姿に昇華された。

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ビーズを編み上げたようなニットのタンクトップに、モワレのスカートを合わせて。

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金糸刺繍の施されたウエストからメタルビーズのフリンジが揺れるドレス。

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国旗を解体したモチーフが、クリスタルとパールで表現されて。

大半が白と黒、一見シンプルなコレクションだが、至る所に繊細な手仕事があしらわれているのがオートクチュールならではの贅沢さ。ドレスの下に合わせたタンクトップには金糸や細かなビーズ刺繍が施され、ボディスーツはブレードやビーズ刺繍、羽根細工で覆われている。ジョーゼットのドレスに揺れるビーズのフリンジ。透き通るメッシュのタンクトップドレスにびっしりと施されたクリスタルビーズ。ノースリーブのシンプルなチューブドレスは、さまざまな国旗を解体して再構成したモチーフをクリスタルとビーズ刺繍で表現したものだ。

後半はメタリックカラーの神々しいドレスが次々に登場。ドレープの美しい造形を際立たせるゴールドのジャージードレスがフィナーレを飾った。

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チューブビーズと銀糸の総刺繍でストライプを描いたボディスーツ。

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メタリックゴールドのジャージーのドレスがフィナーレを飾った。

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来場セレブリティ

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Deva Cassel

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Jisoo

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Yuna-Kim

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中谷美紀

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綾瀬はるか

text: Masae Takata(Paris Office)

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