我が愛しの、ジェーン・バーキン デザイナーたちが語る永遠のミューズ、ジェーン・バーキンとは?

Fashion 2024.06.26

クリエイターにとって無尽蔵のインスピレーション源であり、唯一無二のミューズでもあるジェーン・バーキン。デザイナーたちが惹かれ続ける、彼女のパーソナリティと美学とは。


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ジャンヌ・ダマス(モデル・女優・ルージュ デザイナー)
Jeanne Damas

「ジェーン・バーキンはノンスタイルというスタイルの女王。モードを超えた一種のノンシャランスを持ち、1960年代の終わりにあって、すでにとてもモダンな存在でした。ひとりの女性であり、アーティストであり、3人の別々のパパを持つ3人の子どもの母であるというあり方は、簡単ではなかったはず。ヴィンテージへのノスタルジックな思いと、どこまでも自由な精神、それを併せ持つのがジェーン・バーキンという女性です」
ジャン・トゥイトゥ(A.P.C.ファウンダー)
Jean Touitou

「籐カゴ、デニム、グレーのカシミアカーディガン、白いタンクトップ......エフォートレスでシックなこれらのアイテムは、非常にクールでいて、とてもジェーンらしい」
アニエス・トゥルブレ(アニエスベー デザイナー・フォトグラファー・映画監督)
Agnès Troublé

「ジェーンのことはよく知っているわ。とても寛大な人だった。1996年にサン・ベルナール教会に難民が避難していた時に、彼女と知り合ったの。子どもやベベ(赤ん坊)も避難していたけれど、教会はとても寒くてね。私たちは毛布を持って行ったりと、彼らを支援した。ジェーンはとても積極的だったことをよく覚えている。私はサラエボ支援の際、サラエボハートや映画祭によってゴッドマザー的な役割を果たし、ジェーンもサラエボ支援のためにともに闘った。彼女はとても鷹揚で、あたたかい人だった。最近は私の服もよく着てくれていたの。彼女がもういないのがとても寂しい。2022年に、私のジャケットを着てツアーに出る、と言っていたのよ。電話にショートメッセージをくれた。彼女との友情は、ともに人々を助けるためのプロジェクトを巡るものだった」
マイケル・コースマイケル・コース デザイナー)
Michael Kors

「私はいつもジェーン・バーキンにインスパイアされてきました。この春も、彼女へのオマージュとしてバッグをデザインしたばかりです。彼女は2024年春夏コレクションのテーマに掲げたbarefoot glamour(素足の魅力)をまさに体現しています。その独特のカジュアルさとゆったりとした雰囲気は、堅苦しさを微塵も感じさせず、それと同時に、どんな時でもシックでロマンティックで、タイムレスであり続けていました」
中山まりこマディソンブルー ディレクター・デザイナー)
Mariko Nakayama

「12〜13年前だったか、ジェーン・バーキンの来日中、彼女のファッション撮影で知人がヘアメイクを担当したことがあり、その時の彼女のエピソードが忘れられなくて。彼女は、ファンデーションもアイラインもマスカラもいらないと言い、赤い口紅のみで撮影に臨んだそう。それは、"女性は目ではなく、唇で語る"という彼女のスピリットからで、唇以外に何か乗せるとTOO MUCHになるから、とのこと。まさに引き算の美学! 赤の口紅だけひいた顔を、くしゃくしゃにして笑う姿を見て、これができる女性はなかなか日本にはいないなぁと、非常に衝撃を受けたのを覚えています。それまではファッションアイコンとしての彼女を敬愛していましたが、このエピソードを聞き、彼女の人としての本質、意志に触れた気がして、彼女をますます好きになりました」

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▶︎我が愛しの、ジェーン・バーキン

*「フィガロジャポン」2024年3月号より抜粋

© AFLO, © AP/AFLO

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